中央ろうきん助成プログラム

選考結果
2014年助成の選考について

選考委員長による選後評

選考委員長 赤塚 光子

選考委員長

赤塚 光子

特定非営利活動法人全国障害者生活支援研究会 会長/元立教大学 教授

地域に拡がる、地域をつくる市民活動の展開を!

中央ろうきん助成プログラム「個性が輝く“ひと・まち・くらし”づくり」の、2014年助成対象団体を決定いたしました。

今年の応募総数は、228件でした。予備審査を経て本審査対象となったスタート助成1年目の応募案件が59件、助成2年目は26件、これらに助成3年目の8件、ステップアップ助成の4件を加えた97件について、2日間かけて本審査を実施いたしました。本審査においては、応募書類やプレゼンテーションからびんびんと伝わってくる活動内容の有用性、団体の熱意などをしっかりと受けとめながら選考にあたり、結果、スタート助成1年目を28件、2年目を20件、3年目を6件、ステップアップ助成を3件、採択といたしました。採択された計57件の助成対象団体におかれましては、すべての応募団体を代表する気概をもっての取り組みをお願いし、また期待しているところです。

さて、本プログラムは、(1)ひとづくり、(2)まちづくり、(3)くらしづくりの3分野を対象としていますが、複数の分野にわたる活動も歓迎しています。応募状況をみると、当初から分野をまたがる活動内容も多数見られます。活動開始時の入り口は何であれ、“ひとの支援”は“くらしの支援”であり、“くらしやすいまちづくり”につながっていること、また、“まちづくり”は、“ひとのくらし”の安心につながるものであることを実感させられます。

 “ひと”の例をあげると、その対象は発達に難しさがある子どもやそのご家族、さまざまな障害があることで社会参加が容易でない人たち、年齢を重ねて生活上で不自由なことが多くなった人たち、異なる言語や文化によって困難を抱えている外国人市民、家族の介護に疲れている人たちなど、具体的な支援や理解をすぐにも必要としている人たちです。本プログラムで対象となった市民活動団体は、さまざまに組み立てたプロジェクトを実践し、“ひとのくらし”を支え、それが“まちづくり”につながっています。また、直接的に求められている支援者となる人材を育成しようという試みや、地域の活性化を目指す活動などの多様な展開もみられます。

選考委員会では、これらの活動の先進性、柔軟性などが高く評価されました。しかし以下のような助言もなされています。それは、地域づくりという視点での拡がりを考えることやそのために地域での連携や協働などをより進める視点の重要性です。さらに、熱心さのあまり自分たちの活動に埋没してしまわないように活動を客観視できる状況をつくること、それには、他の市民活動団体の取り組みを知ることや学ぶことなども大切ではないかという指摘もありました。

1年目から2年目、3年目、さらにステップアップ助成へと、一緒に歩むことができるのが中央ろうきん助成プログラムの特徴です。年次の成果報告を、楽しみにしております。