中央ろうきん若者応援ファンド

インタビューコラム
いま、なぜ若者応援が必要なのか?第5回

第5回

つくりたい、若者による数十万のプロジェクト そして、数千の事業を

NPOグリーンズ代表/『greenz.jp』編集長 鈴木 菜央さん

すずき・なお
1976年バンコク生まれ、東京育ち。06年『greenz.jp』創刊。
07年より「green drinks Tokyo」を主催。著書に『「ほしい未来」は自分の手でつくる』(星海社新書)。書)など。

「ほしい未来を、つくろう」を合言葉に、ヒントになりそうな活動をしている人を紹介するWEBマガジン『greenz.jp』を運営しています。

若い人を見ていて感じるのは、自分から社会を変えていこうとするタイプと、自分の可能性にふたをしてしまうタイプに二極化しているということ。たしかに現状は、利益を最大化する力ばかりが社会に働き、アルバイトが深夜一人勤務をさせられるとか、若者が取り換え可能な駒にされている。

そんな余白のない社会には新しいことを試せる場もなく、若者はいきなり荒波に放り出される。
そこで僕たちは東京・虎ノ門に「リトルトーキョー」というコミュニティスペースをつくりました。
ここは、いろんな人と出会いながら、自分の未来のイメージをつくっていく場所。あんこ職人に憧れて「全国のあんこを食べ比べたい」とプレゼンし、寄付を集めて「あんこ大会」を実現した若者、起業コンサルとタロット占いを組み合わせた新たなビジネスを編み出した若者もいます。

市民が集まる「市民ドリンクス」や、全国130ヵ所以上で開催した「green drinks」という飲み会では、「こんなことしたいよね」という話をしながら、人と人がつながっていく。

これからはグローバル経済ではなく、共感できる意思をもった人たちの間でお金を動かす時代。
もし若者のプロジェクトが数十万生まれる雰囲気が社会にあったら、数千くらいは事業が成立していく。そうなったら、中央ろうきんの若者サポートはますます大きな意味をもってくると思います。

「ビッグイシュー日本版」第247号(2014年9月15日発売)より転載