中央ろうきん助成プログラム

選考結果
スタート助成・3年目/ステップアップ助成対象団体の概要

スタート助成・3年目

古民家「華の幹」の再生からはじめる 筑波山麓活性化モデル事業

茨城県

特定非営利活動法人華の幹

つくば市小田地区の古民家の保存と再生、活用に関する事業を行い、筑波山麓の地域資源を活用し、観光振興や地域交流を図ることで地域資源を次世代に継承することを目的とする団体(2011年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、古民家・華の幹(築106年の母屋、築141年の土蔵)の整備や、ここを拠点とした交流事業を進めるとともに、法人格を取得するなど団体としての体制も整えてきた。

3年目は、引き続き古民家再生・活用に関する講座や展覧会などを通じて地域の交流を図るとともに、厨房設備を完成させ、古民家内にカフェを開店することを目指す。また、会員や寄付の獲得に努め、団体の財政基盤の整備に取り組み、引き続き事務局体制を整えていく。

日本語で さらにもっとつながれココロの輪

栃木県

にほんごFriendly Class

外国籍市民が地域で自信を持って自らの力を発揮するために、その必要な手段である日本語を中心とした支援を行うとともに、多文化共生のまちづくりに取り組む団体(2008年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、外国籍市民を対象にした日本語教室を毎週実施するとともに、生活支援講座や日本文化の体験講座の開催を通じ、参加者のニーズ調査や教室に参加しない外国籍市民の掘りおこしを行った。

3年目は、日本語教室については、参加しやすい短期のコースを設けるなど、参加者のニーズに合わせて展開する。その他にも、無料の学習教室を充実させ、日本文化体験を引き続き実施する。文化体験については、着物の体験の他にも茶道、書道、地域の伝統工芸づくりの体験を地域の人を巻き込みながら実施する。

ステンドグラスワークショップと農作業体験によるワークキャンプの開催

栃木県

特定非営利活動法人地域生活相互支援 大山田ノンフェール・くらねぇ

閉校となった小学校を活用し、社会的弱者、特に精神障がいを持つ人たちと地域住民がともに地域で豊かに暮らすための相互交流と相互支援を主な目的とする団体(2010年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、障がいを持つ人と地域住民の相互交流を促すことを目的とした「出張」ステンドグラスワークショップと展覧会を実施した。その結果、活動の認知度が高まり、地域内の美術館ギャラリーと寺院の2箇所で、毎年開催できる見通しを立てることができた。

3年目は、ステンドグラスワークショップと農作業体験を組み合わせたワークキャンプを実施し、主に精神医療に関わる援助者との交流事業を行うことで、地域の人と精神障がい者とが地域で共に暮らすことについて考えていく。

青少年多文化学び教室

埼玉県

青少年多文化学びサポート(ESMY)

多文化・多言語を背景に持つ子どもたちに、より良い学習環境を提供することを目的として活動している団体(2012年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、教育に関わる他団体との連携や、団体会員を支援者として学校に派遣するなど、日本語の学習支援体系の形成や個々の支援対象者のニーズに対応する学習支援に取り組んだ。

3年目は、日本語学習不足により教科学習が困難とされる子どもたちを掘りおこし、支援を必要とする子どもにくまなく支援を行うことを目指し、小学生を対象とした放課後教室の新設や長期休み中の学習支援等を実施する。さらに学習支援の質を向上させるため、支援者に対する研修会の充実を図る。

~社会で生きる力を気づき学びあう~「大学生ギアチェンジ・プログラム」

千葉県

CHIEの輪

周囲の環境から起きる教育格差を無くし、若者の未来の可能性を広げることを目的として、学生が主体的に地域に関わるプロジェクトに取り組むことの支援や、市民活動団体が若者の受け入れプログラムの作成等を行うことを支援している団体(2010年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、松戸市内のNPOに対してプロジェクト型学習の導入に取り組み、団体に若者の受け入れ方についてノウハウの提供を行った。

3年目は、引き続き市内の市民活動団体への若者の参画を進める。新たな取り組みとして、高校や大学のボランティアサークルや地域活性に取り組む若者支援団体と協働で企業や地元商店とタイアップしながら、働くことをテーマとした「事業型エクスターンシップ」プロジェクトの立ち上げに取り組む。

現代の多様化する家族って何?~地域に広げる支援者養成プロジェクト~

千葉県

特定非営利活動法人M-STEP

ひとり親家庭やステップファミリー(子どもを連れて再婚した家庭)など、現代の多様化する家族が暮らしやすい社会の実現を目指して活動に取り組んでいる団体(2011年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、「家族」をテーマとした映画作品の上映会や、様々な家庭事情を抱える家族同士の交流会等を実施することを通じ、多様化する家庭・家族のあり方を社会に広く発信するとともに、当事者同士の交流の促進に取り組んだ。

3年目は血縁関係のない子どもを育てる「中途養育者」をサポートする人材を養成するため、「ステップファミリー支援者養成講座」を開講し、支援ネットワークの構築を目指す。

若年認知症家族交流会事業

東京都

特定非営利活動法人若年認知症交流会小さな旅人たちの会

東京都中野区、杉並区を中心に、交流の場づくりや定期旅行などの活動を通じて、若年性認知症患者とその家族が前向きに安心して暮らせる地域づくりに取り組む団体(2013年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、若年性認知症患者とその家族を対象とした交流会や、団体広報誌の定期発行、講演会などを通じた認知症理解の促進や行政・関連諸機関との関係づくりに取り組んだ。

3年目は、身近な地域に「ともに集い共感できる場」を創出し、潜在的な対象者たちが、社会や地域との接点を再び得るための場づくりに取り組む。また、学生や介護専門職、看護師などの地域の様々な人材に活動のサポーターを依頼し、理解と支援の輪の拡大を目指す。

世代間交流ホームシェア事業の正しい理念と運営方法の認識と普及のための“小冊子とイメージ用映像”の制作

東京都

特定非営利活動法人リブ&リブ

大都市に住む一人暮らしの自立したシニアと地方から就学に来た大学生が、ひとつ屋根の下で、お互いの生活を共に支えあう「世代間交流ホームシェア」事業に取り組む団体(2011年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、世代間の溝や他人を家に入れることへの抵抗感を軽減する事を目的とした世代間交流会やランチ会などを実施し、ホームシェアのパイロットケースを3ケース生み出すことができた。

3年目は、引き続きパイロットケースを実施すると同時に、正しい活動理念と運営方法を普及させるため、小冊子と映像を制作し、より多くの方々に理解してもらえるよう、広報強化に努める。

自転車タクシーを活用した高齢者等の外出応援プロジェクト

東京都

特定非営利活動法人みらくる

未来の地域社会を住民・NPO・行政・企業等と連携し、共に作り上げていくことを目的に、自転車タクシーの運行を通じ、様々な活動に取り組む団体(2010年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、葛飾区に住む高齢者等を対象に、柴又周辺における自転車タクシーを利用した送迎サービスや、利用者同士の交流を目的とした食事会を実施した。乗車人数は着実に増加し、目的に応じた送迎サービス(通院、買い物等)やコミュニケーションの場を提供することができた。

3年目は、従来のサービスに加え、自転車タクシー利用者の日常生活の様々な困りごとをサポートする生活支援事業に取り組む。本活動を通じ、独居や夫婦のみの高齢世帯の生活をより幅広く支援することを目指す。

0歳から小学生まで、のびのび子育ちの輪をひろげよう。~「外遊びのいっぽ」講座プロジェクトと「ぺんぺん里山あそびクラブ」プロジェクト~

神奈川県

青空保育ぺんぺんぐさ

横浜市青葉区を拠点に、未就学児を持つ母親と保育者が協力し、緑の多い公園や野山などでのびのびと子どもを育てる青空保育に取り組む団体(2012年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、安定した保育体制づくりや運営に関わる会議の効率化、情報発信に取り組んだ。また、地域の公的施設や他団体からの依頼により、外遊びや出張講座等を実施するなど、活動の知名度向上にもつなげた。

3年目は、これまでの取り組みを継続しながら、外遊びの機会が少なくなる年中~小学生の子どもを対象としたイベントの企画・実施に取り組む。保護者のOBや地域の協力を仰ぎながら、組織・活動のさらなる運営強化と外遊び体験機会の創出を目指す。

小学校等における地域の海の環境教育の実践とその普及浸透のための教師・学校・地域の理解増進活動

神奈川県

特定非営利活動法人ディスカバーブルー

神奈川県を中心に、「人」と「海」の持続可能な新しい関係性の構築を目指し、市民の方々に海をより身近なものとして大切に感じてもらえるよう、海の専門的・学術的な知識に基づく様々な学びの場の提供に取り組む団体(2011年設立)。

2ヵ年のスタート助成を受け、県内の小中学生等を対象に出前授業を実施するとともに、学校の先生に対し、海の環境教育の必要性や理解向上に努めた。

3年目は、引き続き出前授業を実施しつつ、新たに学校の先生などを対象とした、海の環境教育指導者向けの研修・勉強会を実施する。研修・勉強会は、参加者らの負担を軽減するため、業務として参加できるような仕組みづくりを行い、持続的に海の環境教育に取り組む指導者の育成を目指す。

ステップアップ助成

夜の世界からNPO インターンのマッチング事業

東京都

一般社団法人Grow As People

「誰もがあきらめることなく成長し、“次”を創造し、人生最後の瞬間まで笑って過ごせる社会を創る」ことを理念に、環境的な要因(ひとり親・いじめ・DV等)で夜の世界に依存する立場になってしまった女性達のセカンドキャリアを支援する活動に取り組む団体(2010年設立)。2013年~2014年のスタート助成を受け、3年目でステップアップ助成にチャレンジ。

2ヵ年の助成を受け、元当事者の女性達を相談員とし、セカンドキャリアの相談対応の充実を図ったところ、相談件数は1年目で倍となる400件を超える成果を得た。また過去の写真がキャリア形成の障壁となっている実情から、写真削除の依頼を入口に相談しやすい仕組みを構築した。

3ステップアップ助成では、年齢の限界となる40歳を迎える女性達が、経歴と就労スキルの不足から転職が出来ない現状を改善するために、短期間の職業訓練の場としてNPOでインターン活動する機会を提供する。NPOの運営に関わることを通して、社会復帰に向けたキャリア形成の一助となるような支援を目指す。

選考委員会では、社会的に見過ごされがちな課題に目を向け、ニーズに応じた支援を新しい視点と発想で展開している点が評価された。団体のミッションと役割を丁寧に発信し、より多くの支援者と賛同者を得ながら、先駆的なモデルとして活動を展開していくことを期待し応援したい。