中央ろうきん助成プログラム

選考結果
スタート助成・3年目/ステップアップ助成対象団体の概要

スタート助成・3年目

3世代を繋ぐ地域みんなの子育てネットワークの構築(コミュニティ場づくり)

茨城県

一般社団法人 もりや子育てネットワークままもり

つくばエクスプレスの開通に伴い急激に人が流入し、子育て世帯が増加している守谷市において、安心して楽しく子育てできる環境とネットワークづくりに取り組む団体(2011年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、地縁のないママたちが子育てに関する不安を解消する一つのツールとして情報冊子を発行し、その過程において商工会やシニアアドバイザーなど様々な立場の人たちとの連携が生まれた。また市の交付金事業で、期間限定の拠点を設け、子育てに関する情報発信やママが主体的に参加できるようなマルシェなどを実施した。拠点を得ることにより活動が開かれたものとなり多世代の参加が促されるようになった。
3年目は、これまでの活動を定常的なものとするために、活動拠点の常設化をめざす。同時に運営スタッフの育成やシニア世代の参加を促しながら、さらなる地域の連携強化に取り組む。

人とのコミュニケーションがうまくとれなくて困っている子どもとその保護者のための「みんな いい♥2017」

茨城県

特定非営利活動法人 こどもの育ちサポートステーション

全ての子どもが健やかに社会に適応できる大人に育つためのサポートを行うことを目的に、主に普通学級に通学しているけれども発達がゆっくりな子ども達や、その保護者の支援に取り組む団体(2011年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、子どもたちが、社会を生き抜く力を育てる「ソーシャルスキルトレーニング」を学齢期別に毎月実施。子どもたちの特性に応じて継続的にトレーニングをしたことにより、それぞれが抱えている課題が可視化され、保護者向けの個別カウンセリングでも的確なアドバイスができるようになった。
3年目は、「ソーシャルスキルトレーニング」と合わせて、子どもの認知を育て成功体験を引き出す「フォイヤーシュタイン教育プログラム」を取り入れ、子どもたちが自立した人間として地域を巣立てるようサポートを強化していく。

自転車ハブダイナモ小水力発電機の製作・活用を通じた自然エネルギーの普及啓発

栃木県

鹿沼自然エネルギー推進会

鹿沼の自然環境や生活を守りながら自然エネルギーの普及・推進と地域の活性化を目的に、小水力発電機の製作と実証実験、市民向けセミナーに取り組む団体。(2012年設立)
2ヵ年のスタート助成を受け、自転車ハブダイナモ小水力発電機(ハブダイナモ=自転車の車軸の回転により発電する装置)を3台設置。農業水路などでの実証実験により改良を重ね、発電量の向上や様々な用途を検討するとともに、定期的に普及セミナーを開催した。発電機の改良と照明の省電力化に取り組み、街路灯への実用化の途が開かれ、また普及活動を通じて地元の中学校や環境団体との連携が強化された。
3年目は、発電機をさらに改良し、市内5か所程度で街路灯としての実用化を強化するとともに、誰でも発電機を組み立てられるようにマニュアルを作成する。また市民向けのセミナーも引き続き開催し、自然エネルギーの普及啓発を図っていく。

日本語を母語としない人のための受診・健診・防災 安心サポート

群馬県

特定非営利活動法人 群馬の医療と言語・文化を考える会

言語や文化の壁なく、皆が手をつなぎ、大切な命や健康を守ることができる社会の実現を目指し、日本語を母語としない人が、適切な医療サービスを受けられるよう、医療通訳の養成・派遣、普及活動に取り組む団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、地域の在日外国人の現状と課題を共有する講座やシンポジウムを実施し、関係機関との連携を強化した。また群馬県内の医療機関を対象に外国人の受け入れ体制についてアンケート調査を実施し、具体的な方策を備えていない現状を確認した。そこで試験的に通訳者派遣を開始し、通訳に対する需要と課題の把握に努めた。
3年目は、病院の希望に応じて院内資料や案内板の多言語翻訳を実施するとともに、ソーシャルワーカー等の専門家と協力して医療通訳・相談の電話サービスの企画・運営を行う。それにより県内の病院における外国人の受け入れ体制の強化を図る。

更年期を迎える女性の健康をサポート~ウェブサイトで情報を全国へ発信~

埼玉県

特定非営利活動法人 ちぇぶら

現代社会ではサポートが薄い更年期を迎える女性自らが、健康を選択できる社会づくりを目指し、これから更年期を迎える世代への知識の普及と意識の改革を目的とする団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、インストラクターによる定期的な運動教室と地域の人たちと出会い、互いに悩みを共有できるイベント「ちぇぶらCafé」を実施。計9千人以上の参加者に活動を周知することができた。また、更年期の女性をサポートする人材を養成するため、eラーニングとスクーリングによる講座を実施し17名の伝え手が誕生した。
3年目は、これまでの活動を継続するとともに、更年期の体験談や乗り越え方、自宅でできるセルフメンテナンスの動画を盛り込んだウェブサイトの整備を進め、地域に関わらず正しい情報にアクセスできるようコンテンツの充実を図る。

市民が市民の為に活動する市民後見人として、行政からの支援が届きにくい市民層にも光を!

千葉県

特定非営利活動法人 市民後見太陽

高齢化が進む富里市において、増加する独居者や障がいを抱えながら障害年金の受給ができない等の行政サービスの谷間にいる人たちに対して成年後見人等の利用促進と人材育成に取り組む団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、成年後見制度に関する毎月の勉強会と相談会を実施し、活動が広く周知されるようチラシの作成と配布を行った。地道な活動の結果、取り組み内容に対する理解と信頼度が高まり、市の成年後見制度に関する事業策定に繋がった。また、地域包括支援センターとの協働により月に1回程度、相談案件を受けるようになった。
3年目は、これまでの活動を定着させ、継続的なものとするために相談室の常設化を図るとともに「市民後見人養成講座」を実施し、担い手の育成に取り組む。

地域で役割を担う高齢者をめざそう!

東京都

お互いさまネット・Olive(オリーブ)

「住み慣れた地域で最期まで」を目指して、超高齢化を迎える地域社会の中で高齢者同士が「お互いさま」の精神で助け合う仕組みづくりに取り組む団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、倉庫だった商店街の空き店舗を活動拠点として改装し、「男の井戸端会議」や「手仕事ひろば」などのカフェ活動を行った。また、高齢者の入院時のサポートや生活支援を実施するなど助け合いの仕組みづくりに取り組んだ。人が関わる"場"を作ったことで、主体的に関わる参加者が生まれ、さらに介護に関わる他の地元団体との連携が進んだ。
3年目は、これまでの活動を充実させるとともに、多世代交流の場である食事会「オリーブ食堂」の定期開催に取り組む。またスタッフや利用者に対してインタビューまたは座談会を実施し、さらに参加者が主体的に関われる仕組みの構築をめざす。

育児中のママの社会参加を促す有償ボランティア登録の仕組みづくりと保育スタッフの育成支援

東京都

ワッカチッタ

立川市周辺で、0 ~ 6歳児の親子を対象に育児中の孤立や不安を防ぎ、育児を楽しめるようサポートすることを目的に、地域密着の子育て情報サイト「ワッカチッタ」の運営や親子向けのイベントを実施する団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、現役で育児中のパパ・ママに呼びかけ「ワッカチッタ」の記者を募集し、育児のリアルな声をサイトに反映させてコンテンツの充実を図った。それによりホームページは3万プレビュー/月を超え、企業や行政からも注目されるようになった。
3年目は、育児中の親がさらに気軽に社会参加が出来る仕組みを構築するため、地域にできた保育園併設の女性専用コワーキングスペースと協働し、ボランティアスタッフの登録システムづくりを行う。また、各種イベント実施時に必要になる保育ボランティアスタッフの育成にも取り組んでいく。

地域で多世代交流「これたま」プロジェクト

東京都

コレクティブハウス聖蹟 地域交流プロジェクトチーム

コレクティブハウス聖蹟を拠点に、コレクティブハウスで行われてきた、多世代で日常的につながり合う暮らし方を周辺地域へ普及することを目的とする団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、多世代の地域住民との関わりが持てるよう、親子サロン、地域交流カフェ、コモンミール(共食)、高齢者サロンを実施。活動を重ねることで、コレクティブハウス聖蹟が、気軽に立ち寄れる場として少しずつ地域に根付くとともに地域住民の主体的な参加が促進されてきた。
3年目は、さらに参加者が"お客"ではなく、ともに場を作る担い手となるよう、互いにちょっとした得意なことを教え合うといったワークショップや講座を開催する。また地域の大型分譲マンションやシェアハウス等にコモンミールのお試し体験会や導入支援に取り組み、地域交流の場を拡大していく。

ひきこもり当事者の社会復帰への支援

山梨県

ひきこもり支援 すみれ会

ひきこもり当事者の社会復帰を支援する事を目的に、当事者や家族の居場所作り、交流会の運営などに取り組む団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、共通の悩みを持つ当事者同士が顔を合わせ、集まる場となる当事者会を定期的に開催した。当事者の中には短期アルバイトを行ったり、進んで地域活動に参加する者も現れ、社会復帰の一歩手前となる支援につなげることができた。また親の会では、親同士が悩みを共有できる場と、料理や編み物、スポーツなどを通じて交流する場を提供し、親のストレス解消に向けた支援にも取り組んだ。
3年目は、当事者会と親の会を引き続き開催し、個別相談にも応じる場を提供する。また長期の引きこもり当事者(40歳以上で10年以上の引きこもり)に対して、他団体と連携しながらの訪問支援にも取り組み、当事者支援の団体として更なる発展をめざす。

地域資源の有効活用、人々の支え合いで住み良い街づくり

山梨県

特定非営利活動法人 みんなの街

少子高齢化に悩む田舎と、田舎暮らしを希望する都市生活者双方が幸せに暮らせる環境を創り出すことを目的に、空き家や耕作放棄地などの有効活用、空き家データベースの作成、地域交流などに取り組む団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、利用されていない空き家を改修し、気軽に移住体験ができる「お試し滞在施設」を開設。地域住民と移住希望者の交流会や移住支援等に取り組み、実際に5名の県外からの移住につなげた。また耕作放棄地を開拓しながら、農業体験や自然体験等を実施し、これまでに約500人の参加を集めるなど、団体の知名度も高まっている。
3年目は、引き続き活動の周知に努めながら、滞在施設の運営・改修や移住支援等に取り組む。また3軒目の滞在施設は自然体験と田舎暮らしの双方の魅力を発信できる立地にあることから、参加者層の裾野を拡げ、活動の更なる展開をめざす。

ステップアップ助成

生活困難家庭の青少年への支援活動-「ひだまり塾」と「ひだまり食堂」

埼玉県

チームひだまり

地域住民のきずなを強め、自らの手で住みよい地域を作ることを目的に、「コミュティカフェひだまり」を拠点として、シニア世代や子育て世代、生活困難家庭の子どもに対する支援事業や市民向けの講座を実施し、地域の人々が集う場づくりに取り組んでいる団体(2011年設立)。
3ヵ年の助成を受け、生活困難家庭の小中学生を主な対象に、学習支援や居場所作りを目的とした「ひだまり塾」を毎週土曜日に開講し、延べ1,000人以上の子どもたちの支援に取り組んできた。地道に活動してきたことで、地域での認知度も年々高まり、川越市との協働事業や多くの講演依頼を受けるに至っている。また昨年には、市内初の定期開催となる子ども食堂「ひだまり食堂」を開始し、食の専門家やフードバンク埼玉の協力を得ながら、「ひだまり塾」に通う子どもだけではなく、一人暮らしのシニア層も対象に低料金で食事を提供している。
ステップアップ助成では、「ひだまり塾」と「ひだまり食堂」の更なる拡充をめざす。「ひだまり塾」では、小学生の受講希望者が増えていることから、小学生対応の講師を地域の教員OBの中から募集し、支援体制の強化を図る。「ひだまり食堂」では、これまで食事作りには持ち寄り機材で対応していたが、より多くの食事を低コストで提供できるよう厨房設備を充実させ、持続的な運営をめざす。
選考委員会では、地域の居場所として、学習支援と子ども食堂が連動して運営されていること、さらに組織基盤の強化をめざす意気込みが評価された。今後も安定的に活動が継続できるよう団体運営の担い手も増やしながら、大きく飛躍されることを期待し、応援したい。

介護を理由に離職をせず、安心して介護と仕事を両立できるよう働く介護者を支援する

千葉県

特定非営利活動法人 ケアラーネットみちくさ

家族だけでは解決できない介護問題を、地域住民と共に支え合う関係作りを目指し、介護者と地域住民が集う「ケアラーズカフェ」を拠点に"介護を一人で抱え込まない・させない"よう支援に取り組んでいる団体(2013年設立)。
3ヵ年の助成を受け、介護者の拠り所となるカフェの運営や、介護予防の講座を介護者も含めた地域住民向けに開催した。地域に対して地道に広報に取り組んだこともあり、カフェ利用は3年間で平均1日12人から18人へ、講座参加者は年間約300人から約700人へと、大幅に人数が増える成果へとつなげた。また介護者に寄り添う人材の育成を目指した「ケアラーサポーター養成講座」と介護者の交流の場となるカフェの「立ち上げ講座」も地域で開催した。その結果、交流カフェも柏市内で5か所となり、さらにカフェ運営団体と「ケアラーサポーターネットワーク協議会」を結成するなど、支援者間ネットワークの礎を築いた。
ステップアップ助成では、働き盛りの40歳~ 50歳代からの介護相談の増加から、就労介護者の抱える問題に目を向け、企業向けに「介護離職防止セミナー」を開催する。また介護の実情や情報提供、仕事との両立のノウハウ等を盛り込んだ漫画を作成し、介護を理由とする離職の防止に向けた啓発事業に取り組む。
選考委員会では、スタート助成の3年間で着実に支援者を増やし、また働く人が抱える課題に目を向け、解決に向けた支援をわかりやすい方法で取り組んだことが評価された。就労介護者が悩みを抱え込まず、企業も含めて地域全体で支える仕組みを構築されることを期待し、応援したい。

LGBT就活ウェブサイトでの企業向けコンテンツ作成

東京都

特定非営利活動法人 ReBit

見た目だけでは分かりにくいLGBT(同性愛者や性同一障がい者など)も含め、すべての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指し、小中高大学や教育関係者向けの「LGBT出張授業」やLGBTの若者に対する成人式や就労支援、啓発活動等に取り組んでいる団体(2009年設立)。
3ヵ年の助成を受け、LGBT就活生に向けたカフェ形式の情報交換会やセミナーの実施、日本初となる情報サイト「LGBT就活サイト」の開設・運営に取り組んだ。情報サイトは延べ18万ビュー以上の拡がりを見せ、さらに新聞やテレビなどのメディア、企業からの問い合わせも増えたことから団体の認知度が年々高まりつつある。また昨年度は約100社の企業担当者に研修を実施するなど、着実に成果を出している。
ステップアップ助成では、LGBTの学生が自分らしく社会で働くためには、より一層の企業側の理解が必要と考え、LGBT研修入門編となる映像を10分程度で作成し、公開する。映像化することにより、時間や地域的な制約があり、直接に研修を受けることの出来ない企業採用担当者の理解の向上につなげていく。また団体HP内のLGBT就活サイトでは、企業向けの情報コンテンツを更に充実させ、学生の受入れにつなげていく。
選考委員会では、LGBT就活生に対する理解向上のために、学生と企業の両方にアプローチしながら着実に活動を展開し、成果を重ねていることが評価された。今後は、何が差別につながるのか明確に発信し、また企業だけではなく自治体や地域社会に対しても啓発に努めることを期待し、応援したい。

英語版「子育てガイドブック」作成プロジェクト

神奈川県

Sharing Caring CULTURE

地域で生活する外国人と日本人が文化的な活動を通じて交流と理解を深め、相互に学びを発信する場を共に作ることを目指して、活動に取り組んでいる団体(2014年設立)。
3ヵ年の助成を受け、「多文化カルチャー講座」や「多文化親子交流会」等を主に横浜市青葉区で開催し、外国人と日本人がつながる機会の創出に取り組んだ。特に親子交流会の人気は高く、地域団体と共催によるイベントでは多くの参加者を集め、またメディアの取材も入るなど地域での認知度が高まるきっかけとなった。さらにスタート助成3年目では地域の様々な関係機関との連携が生まれ、活動の定着と展開が更に促進された。
ステップアップ助成では、親子交流会等の活動を通して、子育て情報の収集に苦労している外国人の声をキャッチし、そのニーズに応えるために、英語版の子育て支援ガイドブックを作成する。青葉区では初となる、生まれてから小学校入学までに必要な子育てに関する地域情報を掲載したガイドブックを作成することで、団体の発信力を強化していく。さらに情報冊子を通じて、子育て中の外国人親子と日本人親子の交流機会につなげていく。
選考委員会では、これまで取り組んできた活動が実を結び、また団体の運営体制強化も意識して取り組んだことが評価された。今後も市民団体としての軸足をしっかりと固めながら、外国人も含めた"多文化交流コミュニティ"を成長させる要として大きく飛躍されることを期待し、応援したい。