中央ろうきん社会貢献基金 助成事業のあゆみ
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中央ろうきん助成プログラムの評価 そして進化した助成制度へ3ファンド①1都7県の広域を対象 行政の補助金等は、草の根の団体に対するものは多くありますが、活動対象地域が特定の地域に限定されているものがほとんどです。「地域活動」から「市民活動」に向かおうとする団体にとっては、地域に留まらない特徴や活動範囲を持つため、中央ろうきん助成プログラムでは、1都7県というエリア限定ですが、一定の広がりをもった活動を応援することができたと実感しています。②活動分野で限るのではないテーマ設定 「ひと」「まち」「くらし」づくりというテーマ設定は、福祉、まちづくりといった分野ごとの視点ではなく、「働く人が抱える地域社会の課題を解決する活動」で、参加性を重視するという、活動の“特徴”で絞り込みを行いました。このメッセージを継続して伝えてきた成果は大きい。また、過去助成団体からは、「制度からもれてしまっている」「誰も気づいていない」といった、先駆的な市民活動も対象にすることができました。目まぐるしく変化し続ける社会状況、制度の創設・改正、そのような環境下において、一歩先を行く市民活動の芽を育てるには、活動分野を限定しない点が良かったと考えます。③市民活動団体の草創期~展開期までを 応援するための継続助成のしくみ これまで実施できなかったことへのチャレンジ、団体のPRのための費用、拠点づくりなど、フォローアップを充実させながら最長4年という助成期間中に、活動の基盤をつくるところから、次の展開の入り口までを見込んで応援を行いました。単に活動の継続というものではなく、応募~選考~活動~見直しを繰り返すことにより、団体の組織基盤の強化にもつながったと実感しています。 また、スタート助成の3年間を経てステップアップ助成に進むという点は、一般的な継続助成とは異なる、まさに“ステップ”を設けたことが、団体が次の展開を意識するきっかけとなりました。④地域性を重視した選考プロセス 選考については、予備審査には1都7県のNPO支援組織および中央ろうきんの都県本部の協力を、本選考には福祉、まちづくり、環境、NPO支援、勤労者といった各分野の専門家に協力をいただきました。各地域の知見を経たのち、各分野の専門家が選考するという、2つの視点からの選考を行いました。⑤フォローアップの効果 各種ミーティングは、NPO支援組織および助成対象団体からの高評価を頂きました。NPO支援組織にとっては情報収集の場、フォローの場となり、対象団体にとっては自らの活動の振り返りの機会になるとともに、他団体との交流ができる場としての意義が大きかったと思います。 助成対象団体は、他に誰も取り組んでいない活動だからこそ、不安にかられることがあります。その時に1都7県という比較的身近な地域に仲間がいることや専門家(選考委員、予備審査委員)の理解を得られていることは、活動のモチベーションに繋がっていたことは間違いありません。⑥中央ろうきんの助成プログラム であることの信頼性 活動草創期の団体にとって、中央ろうきんの応援が得られるということや、10年以上も続けてNPO関係者への周知がなされている助成プログラムに採択されることは、活動のお墨付きが得られたという誇りにもつながり、モチベーションが向上していることがアンケート調査などから分かりました。また、地域内外の他者からの信頼を得ることにも繋がりました。そして中央ろうきん助成制度“カナエルチカラ”(生きるたのしみ、働くよろこび)へ続く 上記、中央ろうきん助成プログラムならではの特徴を継承しつつ、さらなる進化を遂げた、助成制度“カナエルチカラ”。誰もが生きるたのしみと、働くよろこびを享受できる地域社会の創造に向けて、関東エリア1都7県で、生活者・労働者の視点に立ち、参加・協力をベースとした新たな自主事業の開発と創造に取り組む市民団体を応援しています。助成団体のさらなる飛躍に期待します。中央ろうきん助成プログラムその具体的な内容について、以下の6項目にまとめました。 助成プログラムの特徴●草の根の取り組みから、新しい市民活動の芽を見つけて育てるプログラム●人も組織も支援者も育つ、顔の見えるプログラム助成制度の詳細や、10周年記念冊子はホームページからご覧いただけます。https://chuo.rokin.com/about/csr/assistance/assistant_program/〈中央ろうきん〉16中央ろうきん社会貢献基金助成事業のあゆみ−中央ろうきん助成プログラム総括レポート

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