中央ろうきん社会貢献基金 助成事業のあゆみ
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総括REPORT放送大学 客員教授宮本 みち子 中央労働金庫は働く人の夢と共感を創造する協同組織の福祉金融機関という使命をもっています。2000年代以降に顕在化した働く人を取り巻く地域社会の見過ごせない状況があり、「中央ろうきん若者応援ファンド」はこのような時代背景と問題意識から、社会的な不利や困難を抱え、働きたくても働けず社会的に孤立している若者の自立支援に取り組む市民活動を支えることで、若者が地域で働き、夢や希望を描ける社会の実現を志したものでした。 まず、1990年代以後の時代の変化をたどってみる必要があります。90年代終盤頃から、パート・アルバイトという形態で働く30代中盤までの未婚の若者(フリーター)が急増し、多様な不安定雇用の若者、無業状態やひきこもる若者などが確認されるようになり、新しい目標や希望を抱けない若者が増加しました。 2000年代は子どもの貧困化が進み、6人に1人が相対的貧困状態になり、社会へ出る段階で就労そのものが困難な若者がいることが判明、社会的にも孤立していました。 若者就労支援の開始より遅れて、若者の貧困問題も認識されるようになりましたが、その根本原因は、親の所得が減少したことにあり、幼少期から現在までの生育過程を通してみることが必要で、早期発見・早期支援が求められています。 様々な問題を抱える若者の潜在リスクは重複しており「社会的排除」に陥ったプロセス※も類似し、これがひとつの社会問題として統一的にとらえられることがわかります。若者の生きづらさの状態(入口)は多様ですが、困難から脱出するには、多様な居場所・相談支援・中間的就労・就労支援などのインフラ(出口)が必要です。「中央ろうきん若者応援ファンド」の5年間を振り返る第一類型:「本人のもつ“生きづらさ”」知的障がいや発達障がいなどで最も早い時期に問題が表出。第二類型:「家庭環境の問題」子ども期の貧困や児童虐待などで、子ども期に表出。第三類型:「学校や職場の環境の問題」いじめや不安定就労などで、就労など比較的遅い時期に問題が表出。〈社会的排除に至る3つのリスク〉「中央ろうきん若者応援ファンド」が掲げた目的と、背景若者をとりまく時代背景2019年にこれまで助成を受けたすべての団体に、つぎの3つの質問でアンケート調査を実施しています。助成団体へのアンケート結果❶主に助成金を何に使い、 その結果どういった効果がありましたか❷助成を受けたことで団体に影響はありましたか❸「若者応援ファンド」についてお聞かせくださいこのアンケートを受けて主要点を右にまとめています。※参考 『社会的排除にいたるプロセス~若年ケース・スタディから見る排除の過程~』平成24年9月、社会的排除リスク調査チーム、内閣官房社会的包摂推進室/内閣府政策統括官経済社会システム担当25−中央ろうきん社会貢献基金助成事業のあゆみ

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