中央ろうきん社会貢献基金 助成事業のあゆみ
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 若者支援の活動が多様化したことにより、若者支援は成熟してきたともいえます。それゆえにケースワーク的な力だけでなく、社会保障制度や住宅政策など社会の将来モデルを描くような広い視野をもつなどの力をつけることを期待したい。若者支援は支援者の養成に力を入れるべき時期にきています。 一方で失業問題から人手不足問題へ転換したことにより、若者支援は終わったという雰囲気もありますが、社会格差は拡大し、働いても生計を営むことができない若者、社会的に孤立した若者は容易に救済されないことには変わりありません。人間関係の希薄化により、社会的に孤立し排除されてしまう傾向も強まっています。時代を反映して新しい課題もつぎつぎ生まれています。 若者応援ファンドから私たちが気づいたものは少なくありません。助成金には活動形成を促進する機能や、活動をまとめて見せることで集約し社会化する機能があります。その成果を大切にしたいものです。  5年間の応募団体総数は114。助成事業の対象として掲げた2つのテーマで応募団体の内訳は、若者支援の出口づくりが90団体(79%)、支援者育成が24団体(21%)。助成団体として採択されたのは延べ41団体です。応募団体の活動の主な対象者を分類すると、無業者・ひきこもりを対象とする団体以外に社会的養護関係のほか、数は少ないが、生活困窮、高校生・高校中退、発達障がい・疾患、外国籍・外国ルーツ、女性支援なども増えています。 若者応援ファンドから見えてきたことがあります。それは困難な状況にある若者の出口は一様ではなく、就労支援のゴールを「正規雇用で就職すること」に限ってはならないということです。受け入れられる場があり、人とつながることができることが誰にでも保障されどのような団体が応募し、助成を受けたか若者支援の課題曲がり角にある若者支援助成を受けた団体が得られたこと特徴と成果、気づき●若者を支える貴重なファンド。●広報費として使うことができ、助成金によって経済的に困窮している子どもも参加できるようになった。●私たちがめざす方向や実施しているプログラムは社会に必要なものだと再認識でき、自信につながった。●申請時は事業の「卵」だったが助成を受けたことで組織体制を整え、事業を具体化することができた。●社会的困難を抱えた人に必要な存在として適正に評価していただいたことが印象的で、他の助成事業と違う。●助成内容に人件費が含まれていることが他と違うところで、人が動くことに助成金を当てられありがたかった。●「若者は支援される人」でなく「これからの社会を担う人」として応援していくというメッセージが読み取れた。●「社会的不利・困難を抱える若者の就労支援」というキーワードで募集したので、光の当たりにくい社会的に気づかれていない問題を掘り起こすことができた。●居場所がなく相談窓口にもたどり着けない若者が来やすいように、柔軟に支援できるのが、このプログラムの特徴。社会的信用が得られたとの声もあり、お金だけではない意義もあることが確認できた。●就労に困難を抱える若者支援における就労支援・中間的就労の取り組みである点。●生きづらさを抱えた女性たちの支援活動が増加した。●児童養護施設や里親など社会的養護支援に関わる団体も多く、支援に手が届かなかった子どもや若者がいることに光を当てる必要性が明らかになった。●教育・労働・住まい・ケアという4つの要素をセットにして若者支援している団体が増え、総合的に取り組まない限り効果が上がらないことが見えてきた。●非営利組織の経営基盤の強化が地域課題の解決のために必要とされる。◀2016年と2018年に 発行した冊子若者応援ファンド特設ページはこちらからhttps://chuo.rokin.com/about/csr/assistance/youth_support/〈中央ろうきん〉なければなりません。しかし、就労支援の多面的意味を踏まえた多様なゴールを整備する課題は道半ばの状況にあります。この20年で多様なセーフティネットは生まれたが景気変動に強い社会になったとはいえず、若者支援は社会の持続可能性という大きな視点で考えていくべき問題です。26中央ろうきん社会貢献基金助成事業のあゆみ−中央ろうきん若者応援ファンド総括レポート

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