Rukuoマネーセミナーレポート
自宅で気軽に資産形成のコツを学ぶ

新型コロナウイルスの流行で「おうち時間」が増え、気軽に参加できるオンラインセミナーが増えています。2021年7~8月、20~50代の女性540名が回答したアンケート(※)によると、オンライン開催のマネーセミナーに参加したことがある人は16.7%、参加したことはないものの、興味・関心がある人は56.5%と、多くの人が関心を寄せています。どのような内容を学べるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんが、「Rukuoマネーセミナー」で講演した「女性のライフプランと資産形成」の内容をレポートします。

いつ、何に、どれくらい備えたらいいの?

新型コロナの影響で、ファイナンシャルプランナーの高山さんのもとには「将来に向けて何とかお金を増やしていきたい」「資産形成をしていきたい」という相談が続々と寄せられ、特に投資に関する問い合わせが増えているそうです。実際に、投資信託の「つみたてNISA(ニーサ)」の口座開設数は2018年3月末から21年3月末までの3年で7倍に。特にコロナ禍で、若年層を中心に口座数が大きく増加したことについて説明がありました。一方で、「資産運用は怖い」と考えている人がいるのも現実。そう感じている人に向けて、高山さんは「お金を目的別に三つに分けて考えてみましょう」と話し始めました。

一つ目は「日々出入りするお金」で、生活費の半年から1年分を準備し、預貯金ですぐに引き出せるようにしておくこと。次に、住宅購入の頭金などの「5年以内に使い道が決まっているお金」は、普通預金よりも金利が高く、かつ安全性の高い、定期預金や個人向け国債が適しているそうです。もう一つは、老後資金など10年以上先の「将来のためのお金」。まとまったお金が必要になるので、資産運用をしていくことが重要になってきます。

資産運用の「きほんのき」とは?

資産運用の基本を学ぶにあたって、高山さんは「長期・積立・分散投資」という三つのポイントを解説してくれました。これは、2008年のリーマン・ショックや2020年3月のコロナ・ショックのように相場が大暴落した時も変わらない、“普遍の三原則”だそうです。

一つ目の「長期投資」は、金融商品の複利効果を活用することで利息が利息を生み、長期になるほど効果を発揮することを指します。二つ目の「積立投資」は、コツコツと無理のない範囲で積み立てること。投資で利益を出すためには、低い値段で買って高い値段で売ることですが、その見極めはプロでも難しいもの。一般の人たちが資産形成をするには売買タイミングを気にせずに投資できる「積立投資」が推奨されています。三つ目の「分散投資」は、1つの資産に集中して投資すると失敗した時のダメージが大きくなるので、資産を大きく減らさないためにも、投資する資産もエリアも分けて投資をしていくことが大切だということです。

この三つのポイントに沿って、初心者でも比較的始めやすい仕組みが「投資信託」という商品。高山さんは「プロに運用をお任せできて、数千円程度の少額から投資でき、分散投資ができるのが投資信託のメリット。初心者がスタートするには、投資信託が最適です」と説明しました。

節税効果の高い「つみたてNISA」って?

セミナーの前半では、毎月決まった金額を、長期にコツコツ積み立てることが、資産形成の基本だと学びました。後半で高山さんは、税制優遇の恩恵を受けながら投資信託が利用できる「つみたてNISA」という制度について解説しました。つみたてNISAは、年に40万円までの投資で得た利益が最長で20年間、非課税になる制度です。「いつでも資金を引き出せて、金融庁の厳しい基準をクリアした対象商品から選ぶことができるのもメリット」と高山さんは言います。

一方、つみたてNISAは、損失が出た場合に「損益通算」や「繰越控除」といった税制上の恩恵が受けられないデメリットがあることにも触れました。そして、余った非課税枠を翌年に持ち越すことができない点も理解しておくことが必要だといいます。

  • 資料を見ながらセミナーを受講することができる。講師の顔が見えるので、セミナー会場にいるような臨場感も味わえる(※使用ツールや環境などにより異なる場合があります)。

お金のプロが「資産運用は必須のスキル」と言う理由

実際に投資する際に気をつけることとして、高山さんは「投資信託の中身が、どのようなもので運用されているかを確認することが重要」と指摘します。投資する金融商品は「債券、不動産、株」の順で値動きが大きくなり、投資先は「国内、先進国、新興国」の順で値動きが大きくなります。値動きが大きいということはリターンもリスクも大きくなるということなので、「投資商品はリスクとリターンが表裏一体。この関係を理解した上で、何に投資をするのかを確認しましょう」と呼びかけました。

また、投資信託では「購入するとき」「保有しているとき」「解約するとき」に手数料がかかる点にも注意を促しました。それらを踏まえた商品選びのコツを紹介した後、「中央ろうきんのつみたてNISAは商品が絞り込まれていて、コストも低く設定されているので、投資の初心者でも始めやすいと思います」と説明がありました。

最後に、高山さんは「これからさらに少子高齢化が進み、昔のような日本の経済成長が期待できない中、自分の身を守るためにも資産運用は必須のスキルです。資産運用を味方につけることで、充実した人生を送れる可能性が高まります」と締めくくりました。

オンラインセミナーを活用しよう

コロナ禍で需要が高まっているオンラインセミナー。これまで、セミナー会場まで足を運ぶことが難しかった方も、オンラインであればご夫婦・ご家族も一緒に効率よくお金について学ぶことができます。気軽に受講して、マネーに関する疑問や不安を解決しましょう。

  • ※アンケートは、2021年7~8月にWeb上でWORKO!編集部が実施。20~50代の女性540人が回答しました。
  • ※投資信託のご利用に関する留意事項はこちら

プロフィール

高山 一恵

(株)Money&You取締役/
ファイナンシャルプランナー

高山 一恵 (たかやま・かずえ)

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー1級
慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株) エフピーウーマンを設立し、10年間取締役を務めた後、2015年から現職。女性向けサービス、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』の事業に注力。全国で講演・執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。