中央ろうきん助成プログラム

選考結果
スタート助成・3年目/ステップアップ助成対象団体の概要

スタート助成・3年目

ひとり親家庭の子への学習支援と主にひとり親家庭を中心とする生活困窮家庭の親と子のための居場所づくり

栃木県

特定非営利活動法人 コドモネットらくだーず

栃木県宇都宮市を中心に、ひとり親家庭の親子が生き生きと暮らすための相談会や交流会、セミナー等を通じた支援をはじめ、ひとり親家庭の親子のための居場所づくりや学習支援等に取り組む団体(2002年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、セミナーやワークショップ、交流会といった、ひとり親家庭の親子同士の交流機会・学びの場を創出するとともに、経済的な事情や親の仕事の都合により、学習塾や行政・NPO等による学習支援にアクセスすることのできない複合的な課題を抱える子ども達を対象とした無料の訪問型学習支援に取り組んだ。
3年目は、これまで実施してきた支援の質の向上を図りつつ、「子ども食堂」の実施を視野に入れた拠点整備に取り組む。また、これまでも課題となっていた「ひとり親サポーター」の養成を通じ、運営面の強化を目指す。

古民家で3世代交流コミュニティづくり活動

群馬県

特定非営利活動法人 思いをつなぐ会

「子どもを育てることは自分の未来を構築することである」との考えから、子育てに関わる女性の意識向上を通じ、子どもたちが希望をもって生きていける社会の実現に取り組む団体(2009年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、高崎市の特定歴史的景観建造物に認定された築100年の古民家を拠点に、昔遊びや畑仕事などのイベントを通じた多世代交流・コミュニティづくりに取り組んだ。また、地域の小学校等との協力体制ができたことにより、昨年度は住民や保育園の年長園児らを交えた花植えイベントも行った。
3年目は、これまで実施してきたイベント等のさらなる充実化を図るとともに、元気なお年寄りをはじめとする参加者それぞれの得意分野を活かした活動を日常的に行えるよう、サロン化に向けた基盤づくりに取り組む。

コミュニティカフェを拠点とした、生活困難家庭青少年への学習支援活動

埼玉県

チームひだまり

人と人をつなぎ、地域の絆を強めることを目的に、「コミュニティカフェひだまり」を拠点に高齢者世代の仲間づくりや、子育て世代に対する子育てサロン等を実施する団体(2011年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、生活困難家庭の児童生徒のための学習支援を目的に、大学生や地域居住の教員OBなどの協力を得ながら、小中学生や高校生を対象とした居場所・学習支援「ひだまり塾」を開講・実施してきた。一般会員の関心の高まりから、支援者や共感者も増え、学習支援事業について、市や社会福祉協議会等から発表や講演も依頼されるようになり、関係機関等とのつながりが強化された。
3年目は、これまで実施してきた学習支援を継続して実施し、特に小学校低学年からしっかりと支援をおこなっていくことを意識して活動に取り組む。また、新たに外国にルーツを持つ子どもたちの支援を行う。

介護家庭への支援~寄り添える人を地域で増やし、支えあうまちづくり~を目指して

千葉県

特定非営利活動法人 ケアラーネットみちくさ

介護を必要とする高齢者や障がい者と介護を担う介護者が、地域に見守られ、安心して暮らせるように支え合う関係を築くことを目的とする団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、介護者の心の拠りどころとなる居場所づくり、介護者に寄り添う理解者を増やすための講演活動や養成講座、そして介護知識の習得のため医師等の専門家を交えた講義を行ってきた。
3年目は、さらに住民同士が自然な関わりから見守り、支え合う関係性がつくれるよう「居場所づくり」、「介護者に寄り添う人材育成」、「認知症カフェ」の運営を行う。地域から孤立しがちな介護者が一人で抱え込まないように、人と人、人と地域をつなげるためのコーディネート力の強化を図る。

まちづくりがかっこよくなる土気NGOまちづくり実践塾

千葉県

特定非営利活動法人 土気NGO

千葉市近郊のベッドタウンにおいてストリートスポーツやファーマーズマーケットを通じて気軽に人と出会うことが出来るストリートゾーンを構築し、住民、行政、大学、企業をつなぎ、持続的なコミュニティモデルの構築を目的とする団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、座学と現場でまちづくりを実践的に学ぶ「土気NGOまちづくり実践塾」を開催。参加者同士の交流から地域のマラソンマップづくりなど新たな取り組みにつなげた。
3年目は、まちづくり実践塾のさらなる質の向上を目指す。出席回数に応じたランクやまちづくりコンセプターの認定制度を設けて、塾生が上を目指せる仕組みを構築することで、地域の担い手創出の流れをさらに促進させていく。

モノづくりサロン

東京都

モノづくりサロン

障がい者福祉施設等の職員を対象に“モノづくり”に関する学び合いの場をつくることを目的とする団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、福祉施設で作る商品の開発・販売プロセスや、商品を販売する際のディスプレイについて学ぶ場「モノづくりサロン」を開催。各福祉施設職員が参加し、商品開発や販売に関するノウハウを取得した。
3年目は、「モノづくりサロン」を継続開催しながら、一般企業の社員向け販売会などに出店し、これまで以上に商品をPRする場を設けることで、サロン受講生が開発・改善した商品を将来的に広く販売できる道を探る。

LGBT就活ウェブサイト運営

東京都

特定非営利活動法人 ReBit

「互いの違いを受け入れあえる社会」の創出を目的に、LGBT(同性愛者、性同一性障がい者など)が自分らしい働き方・生き方を考え行動することを支援する団体(2009年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、LGBTの就職活動を支援するためのカフェ形式の情報交換会の開催やネットワーキングの場づくり、LGBTの就職活動経験者の体験談を掲載したウェブサイトの開設/運営を行った。
3年目は、立ち上げたウェブサイトの活性化を図るため、コンテンツを充実させる。社会人となったLGBT当事者の体験談や就職先の企業担当者へのインタビューレポートを継続的に掲載することで、様々な業界、職種で働くロールモデルを広く発信し、LGBTの若者が肯定的に将来を見据える一助となることを目指す。

訪問大学「おおきなき」(重度の障害を持つ方の特別支援学校卒業後の生涯学習の支援)

東京都

おおきなき

「障がいのある子ども、ない子どもが共に生きられる社会にしていくこと」を目指し、おもちゃ図書館「おおきなき」でおもちゃと絵本の部屋を開催したり、学校で「共に生きることを考える」出前授業に取り組んでいる団体 (2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、特別支援学校卒業後、通所施設に毎日通うことが難しい重度の障がいをもつ方を対象に、自宅まで講師が訪問し、学びの機会を提供してきた。また、ブログや紙媒体の発信を通じて普及啓発にも力を入れた。
3年目は、これまでの活動を継続しつつ、新たな取り組みとして、来年の春に文化祭の開催を目指す。訪問大学の学生と同年代の大学生の巻き込みを図りながら、文化祭の実行委員会を立ち上げ、訪問大学の学生が主役として活躍できる機会となるよう準備を進める。

「多文化親子交流会」を起点に在住外国人が安心して暮らせるコミュニティづくり

神奈川県

Sharing Caring CULTURE

外国人住民と日本人がカルチャーを通して交流することを目的に、異なる国籍を持つ人々が母語や母国の文化を活かした活動を通して、地域の住民とつながるための場づくりに取り組む団体(2014年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、異文化交流を目的とした「多文化カルチャー講座」や「多文化親子交流会」等を開催した。特に「多文化親子交流会」は回数を重ねるごとに参加希望者が増え、外国人親子がつながる場としての拡がりを見せた。
3年目は、ニーズの高い「多文化親子交流会」を軸に、参加している外国人や地域のシニアに運営に参加してもらいながら団体の活動基盤を整え、地域に在住している外国人親子と日本人親子を結ぶ“コミュニティ”の場となることを目指す。将来的には「多文化カルチャー講座」の事業化を目標として活動に取り組む。

まちのこそだち久木

神奈川県

逗子まちのこ保育プロジェクト

子ども達が地域の人々に育まれて成長し、また保育を通して地域がつながることを願い、子育ての当事者である親同士の集団保育(自主保育)と地域のボランティア保育を組み合わせた助け合い保育の運営に取り組む団体(2012年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、逗子市久木地区において、未就園児の一時預かりに取り組み、ニーズの高まりから保育日を週2日から週3日に増やすなど順調に活動を拡げている。また2015年11月には神奈川県子ども子育て支援奨励賞を受賞するなど、地域における民間保育団体としての信頼も獲得しつつある。
3年目は、引き続きこれまでの活動に取り組むとともに、市内に次なる「まちのこそだち」が出来るよう、地域の子育てサークルや地域の関係機関等へ “まちのこ保育システム”を1つのモデルとして提案し、協働の可能性を探りながら活動の展開を目指す。

こども若者ソーシャルビジネス学校

山梨県

特定非営利活動法人 bond place

一人ひとりが相手の違いを受入れ、他者理解と合意形成ができる社会を目指して、参加者同士がつながり、学び合う場を提供しながら、ワークショップや研修等に取り組む団体(2013年設立)。
2ヵ年のスタート助成を受け、子ども・若者自らが社会課題を解決するアイデアを出し合い、仲間とつながりながら、アイデアを「形」にするためのプロセスを学ぶ機会を提供してきた。そして実際に活動につなげた参加者も出てきたことからメディアにも取り上げられ、地域の関係機関との連携も深まりつつある。
3年目は、これまでアイデアを発表してきた若者がメンターとして関わる仕組みを構築し、年1回の発表のほか、社会人と子ども・若者が気軽に対話できるCaféのような場を月1回開催する。さらに参加者自らが自分の活動や事業をホームページ等を通して発信できるようにサポートを行う。

ステップアップ助成

暮らしをお互いに支えあう地域づくりの拠点として、カフェ&相談事業の開設

栃木県

特定非営利活動法人 地域生活相互支援 大山田ノンフェール・くらねぇ

社会的弱者、中でも精神障がいを持つ方たちと地域住民とが、ともに地域で豊かに暮らすための相互交流と相互支援を目指し、栃木県那珂川町にある旧小学校校舎において、フリースペースやステンドグラス工房、機織・草木染工房等の相互交流のための場づくりに取り組んでいる団体(2010年設立)。
3ヵ年のスタート助成を受け、普段の活動場所とは異なる場所へ出向いて行う「出張」ステンドグラスワークショップや展示会、精神医療に関わる援助者との交流を目的としたステンドグラスワークショップと農作業体験を組み合わせたワークキャンプなど、ステンドグラスを通じた地域・援助者交流に取り組んできた。その結果、活動の認知度は高まり、地域の美術館や喫茶店等において、ワークショップや展示会を定期的に開催することが出来た。
ステップアップ助成では、福祉サービスを一方的に受ける「ケアの場」ではなく、暮らしを支えあう「シェアの場」を作ることを目的に、活動拠点である旧校舎の一部屋を、自分たちでカフェへリフォームし、新たな地域交流の入り口となるよう、ショップなどの機能も取り入れた場の創出を目指す。また、カフェに隣接した部屋は、相談室にリフォームし、カフェに来る感覚で気軽に相談できる環境づくりにも取り組む。
選考委員会では、明確な課題意識のもと、お互いの暮らしを支えあう地域交流のための「場づくり」を行う点が評価された。この拠点が、将来的に地域の様々な人たちが共に働ける「場」へと発展していくことを期待し応援したい。

~社会で自立する力を地域で育む~「大学生ギアチェンジ・プログラム」

千葉県

CHIEの輪

大学生が自ら考え、実際に何かに取り組んだり、仲間と協力して一つの事業を担ったりする経験を通じ、自立した人生を歩むための基礎力を身につけ、社会的弱者に陥る若者を減らしていくことを目的に、若者が主体的に地域活動に関わる機会を提供したり、地域の市民活動団体・NPOの現場に持続的に巻き込むプログラムづくりを支援している団体(2010年設立)。
3ヵ年のスタート助成を受け、地域の市民活動団体やNPOとともに、学生たちがチームとなって主体的に課題解決を目指す「プロジェクト型学習」に取り組んできた。その結果、参加した学生たちの働き方や生き方に対する価値観に変化や成長が見られた。また、大学と地域(松戸市)の協働を目的としたプラットフォームづくりに向けた検討会の場にも、団体として関わるようになった。
ステップアップ助成では、大学生・留学生・中高生たち自身が運営者となって、様々な人や地域とつながることのできるコミュニティスペースを新たに開設する。スペースでは、地域の大人たちとともに食卓を囲む「地産地消カフェ」や対話型の学習スクール「マナビバ」などの交流事業を実施するとともに、これまで実施してきた「プロジェクト型学習」にも引き続き取り組む。
選考委員会では、若者の生きる力を育むとともに、彼・彼女らが積極的に地域に関わることのできる1つのロールモデルとして評価された。若者たちが、活動を通じて体得した力を、自身の自立・成長のためだけでなく、将来何かしらの形で地域に還元してくれることを期待し応援したい。

自転車タクシーを活用した高齢者等の外出応援プロジェクトとその他付随事業

東京都

特定非営利活動法人 みらくる

東京都葛飾区柴又地域を中心に、地域に住む人々が、地域に愛着を持ち、生き生きと暮らし・活躍できる「未来の地域社会」を、住民・NPO・行政・企業等と共に作り上げていくことを目的とする団体(2010年設立)。
3ヵ年の助成を受け、通院や買い物が困難な高齢者向けの自転車タクシーによる移動支援、独居高齢者の交流会や生活支援を行った。自転車タクシー事業は、民間のタクシー事業や介護保険事業ではカバーできない隙間のニーズに対応したことで、利用件数が着実に増えている。また、乗客とドライバーとの距離が近いことから、高齢者の様々な生活上のニーズが把握でき、地域交流会や生活支援事業の展開へとつながった。
ステップアップ助成では、これまでの事業を継続しながら、地域の高齢者個人の半生と地域との関わりをテーマとする自伝冊子づくりや高齢者の経験を活かした昔の郷土料理等の調理・会食事業を行う。高齢者自身の経験や知恵を活かした機会やイベントを提供することで、これまでサービスの利用者であり、受け身であった高齢者が、地域の中で生きがいを持ち、より生活の質を高めていけるよう支援を行う。
選考委員会では、日常生活の中から活動が組み立てられており、各事業が上手く連動しているという点が評価された。利用者の声を事業に反映しながら、高齢者の居場所や役割を創出する活動が先駆的なモデルとなることを期待したい。

土・水・作物・いきものとともに、のびのび育ち合う居場所づくり
~畑を拠点に、0歳から小学生までの育ちの輪をさらに広げよう~

神奈川県

青空保育 ぺんぺんぐさ

横浜市青葉区において、自然豊かな環境のもとで1歳半から年長児を持つ保護者と保育士が、交代で子どもを預け合い、子育てを支え合うために設立された団体(2012年設立)。
3ヵ年のスタート助成を受け、預け合い保育による、のびのびとした子育ての実践と、参加する保護者自身も運営に関われるよう内部研修を行った。また、イベントや相談会などを通じて、団体の活動を発信することで地域の協力者を増やしてきた。これらの活動によりベテラン保護者が育ち、運営の安定化につながった。また参加費や会費等の収入が増え、自主財源で最低限の活動が可能となった。しかしながら、参加者の増加や、子どもの成長に応じたクラスの増設にともない、受け入れ体制の課題が生まれてきた。
ステップアップ助成では、これらの課題に取り組むため、活動地域の近隣にある畑の一角を借りて活動場所の整備を行う。新たな場を設けることで、参加者が集いやすくなるとともに、定員枠の増加が見込める。
選考委員会では、自主財源での運営努力や地域の協力者との連携体制の構築など、着実なステップアップが評価された。場づくりにおいては、つくるプロセスから参加者を巻き込み、安全面や衛生面については十分に留意しながら活動基盤の強化につなげることに期待したい。

真鶴町における「バリアフリーな海」づくり

神奈川県

特定非営利活動法人 ディスカバーブルー

神奈川県真鶴町を拠点として、新しい持続可能な「人」と「海」との関係構築に寄与することを目的に、専門的・学術的な知識に基づき、「海や海洋生態系を知ることの喜びと驚き」を提供し、人と海との距離を縮めるまちづくり活動に取り組む団体(2011年設立)。
3ヵ年の助成を受け、主に県内の小学生を対象に海の環境教育の出前授業や、既存の学校行事を兼ねた授業等に取り組んできた。また教員等向けに研修会・勉強会を実施し、各関係機関の後援・協力を得ながら、海の環境教育の必要性について理解浸透に努めた。これらの取り組みを通して、教員とのネットワーク構築や連携強化につなげてきた。
ステップアップ助成では、これまでの活動で培ってきた実績を活かし、海に関わるステークホルダーと連携しながら、「バリアフリーな海」として多様な対象者向けに海と親しむ機会を提供する。具体的には「幼児と保護者」「発達障がい児と保護者」「シニア」向けのイベントを開催し、これまで対応出来てなかった層への普及啓発に努める。また実際に体験する前のバーチャルなきっかけ作りとして、ビデオ・コンテンツの作成・配信等にも取り組む。
選考委員会では、海の生物だけではなく、地域に住んでいる「人」にも目を向け、長期的なビジョンをもって活動を展開していることが評価された。地域密着型の団体として基盤を固め、大きく飛躍されることを期待し応援したい。