Rukuoマネーセミナーレポート2025
制度を味方に、家計を整える。今日からできる資産形成術
2025年9月に開催されたオンラインセミナー「働くあなたにおくるRukuoマネーセミナー2025 ムリなく、ムダなく、バランスよく!今日からできる資産形成術」では、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんを講師に迎え、バランスの良い資産形成について学びました。本記事では、その模様を詳しくお伝えします。
家計の見直しは、将来をイメージするところから
資産形成や投資と聞くと、「リスクがありそう」「元本割れが怖い」と感じたり、「どれくらいの金額を投資に回せばいいのか」と迷ったりして、つい始めるのをためらってしまう方も多いのではないでしょうか。
セミナーの冒頭で塚越さんは、「リスクとは元本割れの危険性のことではなく、結果が増えたり減ったりする“不確実さ”のことをいいます。正しく理解すると、資産形成の一歩を踏み出しやすくなるはずです」と話し始めました。
第1部では、資産形成を始める際のポイントを紹介。最初のステップとして、自分の人生全体を見渡し、人生の3大資金といわれる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」をイメージすることの重要性を説明しました。どんなお金がいつ・どれくらい必要になるのかを整理することで、計画的な準備の道筋を立てることができるといいます。
- 講師をつとめた塚越菜々子さん(右)、進行の倉治るみさん
続いて必要なステップとして挙げられたのが、「家計の見直し」です。ここで大切なのは、細かく家計簿をつけることではなく、お金の流れを意識しながら、貯蓄・固定費・変動費などのバランスを確認することだそうです。
さらに塚越さんは、お金を「使う」「貯める」「守る」「増やす」の4つに分類し、それぞれを意識して管理することの大切さを伝えました。
4つの分類で考えるお金のバランス
まず1つめの「使うお金」は、家賃やローンなどの固定費、食費や日用品などの変動費を含め、「いま」使うお金を指します。これらは予算を立て、その範囲内で管理することがポイント。そうすることで自分たちの“今の生活サイズ”を把握でき、万が一のときに必要なお金や老後資金を明確にする手がかりにもなるといいます。
「貯めるお金」には、固定資産税や火災・地震保険料、自動車税など、年に一度ほど発生する特別な支出が含まれます。さらに、車や家電の買い替え、リフォームなど、今後10年以内に想定される大きな出費も見込んでおく必要があります。
こうした支出には、毎月の積み立てで備えるのが有効だといいます。「強制的に貯蓄する仕組みをつくるのもおすすめです」と塚越さん。給与口座とは別に積み立てられる財形貯蓄や定期預金などを活用し、計画的に備えることをアドバイスしました。
「守るお金」とは、万が一に備えるための保険料などをいいます。
この「守るお金」を考えるうえでポイントとなるのは、どの保険・制度で備えるかという順番だそうです。
「公的年金や公的医療保険、介護保険のほか、勤務先が加入している健保組合によっては「付加給付」と呼ばれる独自の制度が設けられている場合もあるので、まずはこうした公的制度や職場の保障内容を確認しましょう」と塚越さんはアドバイスします。
そのうえで「足りない部分がある」と感じたときには、民間の保険を活用して不足分を補うことで、より安心して「守るお金」を準備できますと話しました。
最後に紹介されたのが、「増やすお金」です。塚越さんは、「増やすお金とは、将来、特に老後に使うことを見据えたお金です」と話します。「老後資金は、預貯金のまま眠らせておくのではなく、資産運用を通じて育てていくことが大切です」とも呼びかけました。
そのためにも、土台となる公的年金や、勤務先の企業年金などの見込み額を確認することが第一歩。それだけで不足する場合には、自分自身で上乗せ分を準備していく必要があると説明しました。
「増やすお金」はNISA・iDeCoを活用
塚越さんが「増やす」お金の運用方法で特に注目したのが、NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)の2つの制度です。「まとまったお金がない人や、経済の知識に自信がない人でも始めることができます。少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度で、効率良くお金を育てやすいのが特徴です」と、述べました。
まずNISAの主なメリットとして次の3点を挙げました。
(1)口座の手数料がかからない
(2)投資で得られた利益に税金がかからない
(3)少額から投資できる
一方、注意したいポイントとして、
(1)1人1口座しか持てない
(2)運用は自己責任である
(3)NISA口座は新規投資のみが対象である
の3点を解説しました。
つぎにiDeCoは、「節税しながらつくる “じぶん年金・退職金”」と、塚越さんは説明します。メリットとして、「掛け金が全額所得控除となり、所得税・住民税が軽減されること」「運用益が非課税であること」「受け取る時にも税制上の優遇があること」の3点を挙げ、一方で、「原則60歳までは引き出せない」「運用は自己責任」「口座の開設や維持に手数料がかかる」といった注意点も説明しました。
将来の安心は情報収集から
セミナーの第2部では、クイズなどを交えながら、バランスの良い資産形成に役立つ情報を楽しく学びました。
最初のコーナーでは、収入に対する貯蓄の割合や投資配分についてシミュレーションを行い、自分に合ったバランスを考える時間となりました。
さらに、資産形成にまつわる〇×クイズも登場。「年齢にかかわらず、定期預金やNISA、iDeCoをフル活用するのが絶対に良い。○か×か――」
塚越さんの答えは「×」。「人によって正解は違います。たとえばiDeCoが向いているのは、確実に老後のお金を貯めたい人や、公的年金や退職金があまり多くないと見込まれる人、節税して今の手取りを増やしたい人などです。また、万が一の時の受取人をあらかじめ指定できるのもiDeCoの特徴といえます。おトクな制度ではありますが、必ず全員がやらなければいけないものではありません。自分にとって必要かどうかを見極めることが大切です」とアドバイスしました。
最後のコーナーでは、子育てや将来にかかるお金を支える、さまざまな給付金や助成制度を紹介。たとえばひと月あたり1万円を受け取れる児童手当を活用しながら、さらに月1万4千円を積み立てることで、18歳の時点で大学進学資金をしっかり準備できることを説明しました。
最後に塚越さんが強調したのは、「自分で動いて情報を集めること」の大切さ。「先のことが不安で身動きが取れないままでいると、今の生活を楽しむことができなくなります。自分で計画を立てて、使う・貯める・守る・増やす、のバランスを考えることで、将来への安心にもつながり、今のお金を前向きに使えるようになります」と締めくくりました。





