インデックス投資とは?
メリット・注意点や始め方を
初心者向けに解説

公開日:2025年7月14日
「投資って難しそう」「何から始めればいいのかわからない」そのように思っている方におすすめなのが「インデックス投資」です。
インデックス投資は、日経平均株価やS&P500などの指数の値動きに連動した運用を目指すため、比較的わかりやすく、初心者でも始めやすい投資です。この記事では、インデックス投資の基本からメリット・注意点、始め方まで、わかりやすく解説します。
1. インデックス投資とは?
インデックス投資とは、商品名ではなく、特定の指数(インデックス)の値動きに連動することを目指した投資手法のことです。投資先は主に投資信託となり、インデックス投資を行う投資信託は「インデックスファンド」と呼ばれます。
1.1. 株価指数などの「インデックス」に連動する投資法
インデックス投資では、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、S&P500などの特定の指数に連動した値動きを目指します。
そのため、インデックス投資を行う際は、どの市場のどの指数に連動するファンドに投資するかを検討する必要があります。代表的な指数はニュースなどでも頻繁に報道されるため、値動きがわかりやすいのが特徴です。
1.2. アクティブ投資との違い
インデックス投資と対比される投資方法として「アクティブ投資」があります。アクティブ投資は、特定の指数を上回るリターンを目指す投資手法です。
インデックス投資を上回る運用成果を得る可能性がある一方、リスクも大きくなり、ファンドマネージャーの調査や運用にかかる費用等が反映される分、コストは高くなる傾向があります。
2. 代表的な指数
ここでは、代表的な指数を紹介します。
2.1. 日経平均株価
日経平均株価は、東京証券取引所のプライム市場※に上場する銘柄のうち、日本経済新聞社が選定した225銘柄の平均株価です。「日経225」や「日経平均」とも呼ばれます。
- プライム市場:東京証券取引所が開設している、多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)をもち、一定の実績を有した企業が上場する市場
2.2. 東証株価指数(TOPIX)
東証株価指数(TOPIX)は、Tokyo Stock Price Indexの略称です。原則、東京証券取引所のプライム市場に上場している株式を対象としており、1968年1月4日の時価総額を100ポイントとして、現在の時価総額が何ポイントになるかを表します。
2.3. S&P500
S&P500は、Standard & Poor's 500 Stock Indexの略称で、「エスアンドピー500」と呼ばれます。ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している大手企業約500社の時価総額を加重平均して算出されるアメリカの代表的な株式指数です。
3. インデックス投資のメリット
ここではインデックス投資の主なメリットを紹介します。
3.1. 少額から始められる
インデックス投資は、100円や1,000円などの少額から投資できるため、初心者でも気軽に始めやすい特徴があります。なお、最低購入価格は金融機関ごとに異なります。
3.2. 値動きがわかりやすい
投資先のインデックスファンドがベンチマークとする日経平均株価やTOPIXなどの指標は、ニュースや新聞などで目にすることが多く、投資状況が把握しやすくなっています。
3.3. 手軽にリスク分散できる
インデックスファンドに投資すると、その指標に含まれる幅広い銘柄に分散投資することになります。投資先を分散することは、リスクを抑えることにつながります。
3.4. 低コストで運用できる
インデックスファンドは、特定の指標に連動するため、アクティブファンドのように個別の銘柄選定に伴う調査費用等はかかりません。また、ノーロード(購入時手数料無料)の商品が多く、信託報酬も低いため、コストを抑えることができます。
4. インデックス投資の注意点
インデックス投資を始めるうえで知っておきたい注意点について解説します。
4.1. 短期的に大きな利益は出にくい
値上がりが期待できそうな投資先に集中投資をすると、短期的に大きな利益が得られる可能性はありますが、予想が外れると大きく値下がりする可能性もあります。
インデックス投資では各ファンドを通じて幅広い銘柄に分散投資をするため、値上がりと値下がりが相殺されてリターンが平均化され、リスクを分散することができます。そのため、長期的な安定した運用に適していますが、短期的に大きな利益を期待することは難しくなります。
4.2. 他と比べて低めでも運用コストはかかる
インデックスファンドは投資信託ですので、購入時の「購入時手数料」、保有期間中の「信託報酬」、売却時の「信託財産留保額」等の費用が必要となります。
このうち、インデックス投資で特に注目したいのは、投資信託の保有期間中にかかる「信託報酬」です。信託報酬は、投資信託の純資産総額から、運用・管理にかかる費用として毎日一定割合を差引かれます。
インデックスファンドの信託報酬は、アクティブファンドに比べて低めに設定されています。ただ、保有期間中ずっとかかるコストのため、収益に影響を及ぼします。
なおインデックスファンドでは、販売手数料がかからない「ノーロードファンド」や、売却時の信託財産留保額がかからないファンドもあります。
4.3. 元本割れの可能性がある
指数への連動を目指して投資先が分散されているインデックスファンドは、リスクは分散されているものの、元本保証ではないため、価格が上がる時もあれば下がる時もあります。
4.4. 長期的な目線で運用することが大切
過去には、リーマンショックやコロナ禍のように、市場全体が大きく値下がりする局面がありました。このような局面では、保有資産が大きく減って不安になり、もっと下がる前に解約した方がいいのではないかなど、迷いが出やすくなります。
ただ、投資信託は大きく値下がりする局面があってもそのまま保有し続けることで、次の値上がりを待つこともできます。値下がりした局面で慌てて売ることは、損失を確定することになってしまう可能性がありますので、対象となるファンドの指標の値動きに一喜一憂することなく、長期的な目線で運用を考えましょう。
5. インデックス投資ができる主な商品
ここから、具体的にインデックス投資ができる主な商品を紹介します。
5.1. 投資信託
投資信託は、大勢の投資家から集めたお金をひとつにまとめ、運用の専門家が国内や海外の株式や債券などさまざまな投資先に分散投資して運用する金融商品です。運用で得られた利益はその投資割合に応じて投資家に分配されます。
元本保証型の商品ではありませんが、少額から始められる、定額での積立購入もできる、分散投資でリスク分散しやすい、つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を利用して税制上のメリットを得やすい等の特徴があります。
5.2. ETF(上場投資信託)
ETFは、Exchange Traded Fundの略称で、「イーティーエフ」と読みます。日本語では上場投資信託と訳されます。
投資信託は通常、注文した翌営業日の売買金額(基準価額)で売買しますが、ETFは株式のように相場の値動きを見ながらリアルタイムで売買ができます。投資信託のように、さまざまな投資先に分散投資することでリスク分散できる、少額から購入できる、積立購入できるといった特徴も併せ持ちます。
ETFもインデックスファンドと同様に指数に連動して運用するため、信託報酬が低めに設定されています。
6. インデックス投資の始め方
最後に、インデックス投資の始め方をお伝えします。
6.1. 口座を開設する
投資信託を始めるためには、金融機関で投資信託の口座を開設する必要があります。口座を開設する金融機関が決まったら、ホームページや店頭窓口で口座開設の申込みをしましょう。口座開設時に必要な書類は金融機関ごとに異なりますが、〈中央ろうきん〉では以下の書類の提出が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードのいずれか)
- 個人番号(マイナンバー)を確認できる書類(マイナンバーカード、通知カード・マイナンバー記載の住民票のいずれか)
また、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用してインデックス投資を始めたい場合、NISA口座やiDeCo口座を開設しましょう。
6.2. ファンドを選ぶ
インデックス投資にはさまざまな種類があり、以下の点を事前に考えておくと選びやすくなります。
- 投資先は日本にするか?海外にするか?
- 投資したい商品(株式・債券・不動産・金など)は何か?
各金融機関で取り扱いのあるファンドの種類や基準価額、手数料などの詳細は、投資信託のページに記載されています。 どれを選んでいいかわからない場合は、各金融機関の担当者に相談しましょう。
なお、投資信託は一度にまとめて購入することもできますが、毎月定額を積立投資することもできます。積立投資は、まとまった資金がなくても始めやすいという利点があります。さらに、値動きのある投資商品は値段が上がったり、下がったりすることもありますが、積立投資なら投資信託を購入する時期を分散させ、時間をずらして投資を続けるという「時間分散投資」で購入単価の平準化が期待できます。
7. まとめ
インデックス投資は、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数への連動を目指した投資方法です。
主な株価指数の値動きは新聞やニュースで頻繁に報道されるため値動きがわかりやすく、資産状況を把握しやすくなっています。
インデックス投資は指標への連動を目指しているため、一獲千金には向きませんが、小額から気軽に始められ、長期で資産形成をしたい人に向いています。まずは、すぐに使う必要がないお金で投資を始めてみてはいかがでしょうか。
〈中央ろうきん〉では各種相談に丁寧に対応しています。これから投資信託を始めようとお考えの方は、ぜひ〈中央ろうきん〉にご相談ください。
執筆・監修者

氏家祥美
ハートマネー 代表
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント
2005年にFP会社設立に参画しFP相談を開始。2010年に独立してFP事務所ハートマネーを設立。「お金」「キャリア」「聴く力」を強みとして、その人らしい人生地図作りをサポート。子育て世代の貯める仕組み作りから、定年前後の世代まで幅広い相談実績を持ち、人生の転機をサポートしている。
- 本記事は情報提供を目的としており、特定商品の勧誘目的で公開しているものではありません。
- 本記事の内容は、公開日または更新時時点のものであり、その内容を保証するものではありません。
- このコラムは、2025年7月時点の情報を基に作成しています。
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