デンタルローンとは?
メリット・注意点から
利用の流れまで解説

公開日:2025年7月14日
「高額な歯科治療費、分割で払えたら良いのに…」「矯正やインプラントって高いよね」 そんなお悩みを持つ方に役立つのが「デンタルローン」です。
デンタルローンは、歯列矯正やホワイトニング、インプラントなどの治療費を分割で支払うためのローンで、まとまった現金を用意できなくても治療を受けることが可能になります。この記事では、デンタルローンの利用条件、メリット、利用時の注意点などわかりやすく解説します。
1. デンタルローンとは?
「デンタルローン」は、歯科治療に特化したローンです。
保険適用外の歯科治療費は一般的に高額となっています。分割払いにすることで、一度に支払う金額が少なくなり、心理的・経済的負担を軽減することができます。また、まとまった現金を用意できなくても治療を開始することが可能となります。
1.1. 医療ローンとの違い
「医療ローン」は医療費支払いのためのローンです。デンタルローンもその一種ですが、その違いは、利用目的にあります。デンタルローンの利用目的は歯科治療に限定されていますが、医療ローンは、病気やケガによる治療や入院、美容整形、レーシックなど、幅広い利用目的に対応しています。
医療ローン、デンタルローンはいずれも、金融機関に利用者が直接申し込むタイプと、金融機関と提携した歯科医院や医療機関を通じて申し込むタイプがあります。
ローンの利用にあたっては金融機関の審査を受ける必要があり、審査に通らなければローンを利用できませんので、注意しましょう。また、申込みから融資実行まで数日から数週間かかる場合もありますので、余裕をもって手続きしましょう。
1.2. どんな時に利用する?
デンタルローンは、主に高額な自由診療の歯科治療費を分割で支払うために利用されます。治療費が高額になるものとして以下の治療があります。
- インプラント
- 歯列矯正
- セラミック治療
- ホワイトニング
各治療の費用については、各医療機関のホームページや相談窓口を通じて、事前に確認しておくことをおすすめします。一般的な目安としては、以下のような金額となっています。
治療名 | 内容 | 目安価格 |
---|---|---|
インプラント | 歯を失った箇所に人工歯根を埋め込む | 1本あたり30~50万円程度※1 |
歯科矯正(成人矯正) | 歯並びの改善 | 全体矯正で55~170万円程度※2 |
セラミック治療 | 白く美しい被せ物で歯を美しく見せる | 1本あたり5~18万円程度※2 |
ホワイトニング | 専用薬剤で歯を白くする | 2~5万円程度※3 |
2. デンタルローンを利用するメリット
ここから、デンタルローンを利用するメリットをご紹介します。
2.1. 手持ちのお金がなくても治療を受けられる
「急遽、歯科治療が必要になった」「歯をきれいにしたい」「歯並びをきれいにしたい」そんなとき、まとまった資金が手元になくても、デンタルローンを利用すればすぐに治療を始めることが可能です。
お金を貯めてからでなく、早めに治療・施術を受けることができるため、症状の悪化を防いだり、希望を満たすことができるでしょう。
2.2. クレジットカードの分割払い・リボ払いよりも金利が低め
デンタルローンは歯科治療に特化したローンで、利用にあたっては審査がありますが、クレジットカードの分割払い・リボ払いと比べて金利が低めに設定されています。
すでに持っているクレジットカードを利用すれば、審査なしで支払いもできますが、総支払額は高くなります。そのため、クレジットカードよりもデンタルローンを利用したほうが総支払額を抑えられる可能性があります。
3. デンタルローンを利用する際の注意点
デンタルローンはメリットばかりではありません。利用する際の注意点も確認しておきましょう。
3.1. 利息を支払う必要がある
デンタルローンもクレジットカードの分割払い・リボ払いと比べて低いとはいえ、金利がかかるため、借入額の返済に加えて利息を支払う必要があります。
なお、返済期間を長くすると月々の返済額が抑えられるかわりに、利息の負担が増えるため、総支払額が大きくなります。 一方、返済期間を短めに設定すると、1回あたりの返済額は増えますが、総支払額は抑えられるため、自分の収入・支出状況にあった返済計画を立てましょう。
3.2. 審査に通過する必要がある
デンタルローンは、申込み時に金融機関の審査があります。審査を受ける際は、一般的に以下の書類が必要になります。
書類名 | 用途・備考 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
収入証明書類 | 源泉徴収票、確定申告書など |
治療見積書 | 医療機関が発行した治療明細と金額が書かれた書類 |
金融機関は、年齢、職業、勤続年数、年収、家族構成、他の借入れ状況、希望借入額と治療内容などを基に審査をします。
なお、審査結果によっては、希望通りにローンの利用ができない場合がありますので、注意しましょう。
3.3. 追加の治療は対象外となることも
治療を進めるうえで、あとから追加の処置が必要となったり、一度治療が終わったあとで、再び治療が必要になることがあります。しかし、デンタルローンでは最初に契約した治療内容のみが対象となる場合が多く、追加の治療には適用されない可能性があります。
そのため、追加治療が必要になる可能性やその際の費用の目安についても、事前に医療機関へ確認しておくと安心です。
4. デンタルローンの申込み方法
デンタルローンの申込みには主に2つの方法があります。1つ目は医療機関で申し込む方法です。医療機関のサポートを受けながら申し込める手軽さと安心感がある一方、利用できるローンが提携している金融機関のローンに限られるため、金利や利用条件について他の金融機関と比較ができないという面で注意が必要です。
2つ目は金融機関で直接申し込む方法です。金利や利用条件など複数の金融機関を比較・検討しながらローンを選択することが可能です。あらかじめインターネットなどから仮審査を申し込んでおき、仮審査承認の連絡が来たら、必要書類を揃えて正式に申込みます。
5. デンタルローン以外で治療費を支払う方法
手許に資金がなく、一度に治療費を支払うことが難しい場合、デンタルローン以外にも支払う方法はあります。ここではいくつかの方法をご紹介します。
5.1. 歯科医院独自の院内分割払い
医療機関によっては、独自の院内分割払いが用意されている場合があります。多くの場合、金利や手数料がかからないといったメリットがありますが、治療が完了するまでに払い終える必要がある点は注意が必要です。
また、分割回数や利用可能金額に上限があることが多いため、契約前に条件をよく確認し、期間内に返済できるかを検討しましょう。
5.2. クレジットカードの分割払い
クレジットカードを保有している場合、歯科治療の費用は、クレジットカードの分割払いやリボ払いでも支払うことが可能です。
審査を受けずに利用できる手軽さがありますが、クレジットカードの利用枠を消費するため、他の用途にクレジットカードを使いにくくなることや、デンタルローンに比べると金利や手数料が高めに設定されているため、返済総額が高くなりやすい点には注意が必要です。
5.3. カードローンでの支払い
カードローンとは、銀行・信用金庫・労働金庫やクレジットカード会社、消費者金融などの金融機関が提供する、個人向けの小口融資サービスです。
カードローンは、自由にお金を借りられる枠である「利用限度額(借入限度額)」が設定され、利用限度額の範囲内で、何度でも自由に借入れが可能で、歯科治療の費用に充てることもできます。
ただし、クレジットカードの分割払いやリボ払いと同様に、デンタルローンに比べると金利が高めに設定されています。
6. デンタルローンに関するよくある質問
デンタルローンの利用を検討している人が疑問に思いやすい点をいくつかご紹介します。
6.1. デンタルローンを利用しても医療費控除は受けられる?
デンタルローンを利用していても、条件を満たせば医療費控除を受けることが可能です。控除を受けるための主なポイントを押さえておきましょう。
6.1.1. 治療のための医療行為であること
医療費控除は、治療にかかった費用を負担した人の税負担を軽くするための制度です。そのため、治療のためのインプラントや歯列矯正であれば対象となり、単なる検査や理美容目的の施術費用については医療費控除の対象外となります。
6.1.2. 実際にその年末までに支払いが完了した金額のみ申請可能
ローン契約後、支払いが年をまたぐ場合には、年末までに支払いが完了した金額分だけがその年の医療費控除として申請可能です。年が明けてから支払った分については、さらにその次の年の医療費控除として申請可能です。
なお、ローンの金利や手数料は対象外となりますので、注意しましょう。
6.1.3. 医療費控除の手続きには医療機関の領収書が必要
ローンの契約書類だけでは医療費控除ができません。医療機関発行の領収書が必要となりますので、しっかり保管しておきましょう。
6.2. デンタルローンは18歳未満の場合、利用できる?
通常、ローン契約は本人名義でおこなう必要があります。 しかし、18歳未満の場合には、本人はローン契約できないため、親などの親族が契約者となり、借入れをすることになります。
6.3. 治療後でもデンタルローンは利用できる?
デンタルローンは、治療の実施前に申込みします。治療開始後は利用できない場合が多くなっているため、あとで支払いに困ることのないよう、治療開始前に疑問点などは、医療機関に確認したうえで、資金計画を立てることが大切です。
7. まとめ
デンタルローンは、歯列矯正・ホワイトニング・インプラントなどの治療費を支払うためのローンです。
まとまった資金が手元になくても治療を開始でき、分割払いで支払えることやクレジットカードやカードローンに比べて金利が低めで総返済額を抑えやすいなどのメリットがあります。ただ、治療が始まってから追加で借入れることが難しいため、治療開始前の慎重な返済計画が重要です。
〈中央ろうきん〉では、歯科治療に利用できるローンとして「福祉ローン」があります。低金利で利用可能となっていますので、ローンの利用を検討している人は、ぜひご相談ください。
執筆・監修者

氏家祥美
ハートマネー 代表
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント
2005年にFP会社設立に参画しFP相談を開始。2010年に独立してFP事務所ハートマネーを設立。「お金」「キャリア」「聴く力」を強みとして、その人らしい人生地図作りをサポート。子育て世代の貯める仕組み作りから、定年前後の世代まで幅広い相談実績を持ち、人生の転機をサポートしている。
- 本記事は情報提供を目的としており、特定商品の勧誘目的で公開しているものではありません。
- 本記事の内容は、公開日または更新時時点のものであり、その内容を保証するものではありません。
- このコラムは、2025年7月時点の情報を基に作成しています。
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