残クレ(残価設定型
クレジット)とは?
仕組みやカーローンとの違い、
メリット・デメリットを解説
公開日:2026年9月14日
「車を購入する時、「残クレ」を提案されたけど、どのようなローンなのだろう?」「金融機関のカーローンとは何が違うのだろう?」など、疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
残クレ(残価設定型クレジット)は、車両本体価格の一部をあらかじめ「残価」として設定し、その残りの金額を一定期間、毎月分割で支払う方法です。残価が含まれない分、金融機関のカーローンと比べると月々の支払額を抑えられます。
一方で、契約期間中の所有権や走行距離の制限、契約満了時の選択肢など、事前に確認しておくべきポイントもあります。
この記事では、残クレの仕組みやメリット・デメリット、カーローンとの違い、どちらを選ぶべきかについてわかりやすく解説します。
1. 車のローンの主な種類
車を購入する際に利用できるローンには、いくつかの種類があります。
利用するローンによって、金利や審査の特徴、手続きの方法などが異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合ったものを選ぶことが大切です。
1.1. 金融機関のカーローン
銀行や労働金庫などの金融機関が提供するカーローンです。
車の購入とは別に金融機関でローンの手続きが必要ですが、一般的に金利は低く設定されています。
1.2. ディーラーローン(信販会社ローン)
ディーラー(自動車販売店)と提携している信販会社等が提供するカーローンです。
車の購入手続きと同時に申し込めるため手間が少ない点が特徴です。一方で、金融機関のカーローンと比べると金利は高めに設定される傾向があります。
1.3. 残クレ(残価設定型クレジット)
残クレは、ディーラーローンの一種です。
契約満了時の車の想定下取り価格(残価)をあらかじめ車両価格から差し引き、残りの金額を分割して返済します。そのため、他のローンに比べて月々の返済額を抑えやすいことが特徴です。
1.4. 自社ローン
自社ローンとは、中古車販売店などが、独自に提供している支払い方法です。ディーラーローンと同様に車の購入手続きと同時に申し込むことができ、金融機関のカーローンと比べると比較的審査が通りやすいローンです。「金利0%」となっていることもあります。
ただし、金利0%の場合でも、金利の代わりに保証料や手数料などが上乗せされ、結果として総支払額が高くなるケースもあります。契約前には、毎月の支払額だけでなく総返済額も確認することが大切です。
2. 残クレの仕組みと特徴
ここでは、残クレの基本的な仕組みと、「残価」がどのようなものかを解説します。
2.1. 残クレの仕組み
残クレとは、購入時に契約満了時の車の残価(=想定下取り価格)を設定し、その残価を車両価格から差し引いた金額でローンを組む方法です。
一般的なカーローンでは車両価格全額を返済しますが、残クレは残価を除いた金額を返済することになります。
2.2. 残価(残存価格)とは
残価とは、契約満了時にその車に残っていると見込まれる価値(想定下取り価格)のことで、あらかじめ、ディーラーによって設定されています。
3. 残クレと金融機関のカーローンの違い
残クレと金融機関のカーローンには、月々の返済額や所有権、契約終了時の扱いなど、いくつかの違いがあります。それぞれの特徴を理解し、自分のカーライフに合ったローンを選びましょう。
3.1. 月々の返済額
残クレは、車両価格から契約満了時の残価を差し引いた金額を分割して返済するため、一般的なカーローンよりも月々の返済額を抑えやすいことが特徴です。
一方、金融機関のカーローンは車両価格全額を借入れるため、返済回数などの条件が同じであれば、月々の返済額は残クレより高くなります。
3.2. 車の所有権
残クレでは、契約期間中の車の所有権はディーラーや信販会社にあります。そのため、自分の車として利用できても、自由に売却したり大幅なカスタマイズをしたりすることはできません。
一方、金融機関のカーローンでは、購入時から利用者本人が車の所有者となるのが一般的です。そのため、売却やカスタマイズなども自由に行えます。
3.3. 契約満了時の扱い
残クレは契約満了時に、
- 車を返却する
- 残価を支払って買い取る
- 残価を再ローンにして乗り続ける
- 新しい車に乗り換える
といった選択肢から、自分の状況に応じて選ぶことができます。
一方、金融機関のカーローンは、ローンを完済すれば返済は終了し、そのまま自分の車として乗り続けることができます。契約満了時に返却や買い取りを選択する必要はありません。
4. 残クレのメリット
残クレのメリットは、月々の返済負担を抑えながら、自分のライフスタイルに合わせて車を利用しやすいことです。ここでは、返済負担や乗り換えやすさ、契約満了時の選択肢という3つのポイントから詳しく解説します。
4.1. 月々の返済負担を抑えやすい
残価を差し引いた金額をもとにローンを組むため、金融機関のカーローンと比べて月々の返済額を抑えやすくなっています。返済負担が抑えられるため、より高いグレードの車種を選ぶことも可能となります。
4.2. ライフスタイルに合わせて新しい車に乗り換えが可能
契約期間は3年や5年に設定されることが多く、契約満了時に新しい車へ乗り換えやすくなります。定期的に最新モデルに乗り換えたい人や、ライフスタイルの変化に合わせ、数年後に乗る車を見直したい人に向いていると言えます。
4.3. 契約満了時に複数の選択肢がある
契約満了時には、「車を返却する」「残価を支払って買い取る」「残価を再ローンにして乗り続ける」といった複数の選択肢があります。契約時に将来の利用方法を決め切る必要はなく、その時のライフスタイルや家計の状況に応じてどうするか、決定することができます。
5. 残クレのデメリット
残クレにはこれまで説明したように、月々の返済負担を抑えられる等のメリットがある一方、デメリットもあります。利用後に後悔しないためにも、注意すべき点について解説します。
5.1. 走行距離や車両状態に制限がある
残クレでは想定下取り価格を設定しており、走行距離や車両の状態に一定の条件が設けられています。契約で定められた走行距離を超えないことや、大きな傷やへこみを付けないよう注意する必要があります。
5.2. 契約満了時に追加費用が発生する場合がある
車の状態が想定よりも悪かった場合などは、契約満了時に追加費用が発生する可能性があります。例えば、走行距離の超過や車両の損傷、修復歴などがあると、追加で費用を請求されることがあります。
追加費用が発生する条件はメーカーやディーラーによって異なるため、契約内容を事前に確認することが大切です。
5.3. 車を自由にカスタマイズしにくい
残クレでは車の所有権がディーラーや信販会社にあることが多いため、大幅なカスタマイズは難しい場合がほとんどです。車両を返却する場合には、原状回復が求められることがあるため、カスタマイズを楽しみたい人は事前に販売店へ確認しておくと安心です。
5.4. 総支払額が高くなる場合がある
残クレでは、残価にも金利がかかり、その金利は金融機関のカーローンよりも高く設定されることが多くなっています。さらに、契約満了時に追加費用が発生した場合、想定以上に負担が発生する可能性もあります。月々の返済額だけで判断せず、総支払額まで含めて利用を検討することが大切です。
6. 残クレが向いている人・向いていない人
残クレは、人によって向き・不向きが分かれるローンです。車の使い方やライフスタイルによってメリット・デメリットは異なるため、自分に合った利用方法かどうかを確認しておきましょう。
6.1. 残クレが向いている人
残クレは、月々の返済負担を抑えたい人や、定期的に新しい車に乗り換えたい人に向いています。
残クレは残価を差し引いてローンを組むため、月々の返済額を抑えることができます。そのため、金融機関のカーローンと同じ毎月の返済額のまま、ワンランク上の高グレード車に乗ることも可能です。
また、3年や5年ごとに新しい車へ乗り換えたい人や、ライフステージの変化に合わせて車種を見直したい人にも適しています。
6.2. 残クレが向いていない人
残クレは、契約期間中は走行距離や車両状態に一定の条件が設けられることが多く、車の所有権もディーラーや信販会社にあるため、車を長期間乗り続けたい人や、自由にカスタマイズしたい人、年間の走行距離が長い人にはあまり向いていません。
自分名義で長く乗り続けたい人や、自由にカスタマイズを楽しみたい人は、金融機関のカーローンを利用した方が、自分に合ったカーライフを実現しやすいでしょう。
7. 残クレを利用するときの注意点
残クレは月々の返済負担を抑えやすいローンですが、契約内容を十分に理解せずに利用すると、契約満了時に思わぬ負担が生じることがあります。安心して利用するために、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
7.1. 契約満了時の条件を確認する
契約満了時には、「車を返却する」「残価を支払って買い取る」「残価を再ローンにして乗り続ける」「新しい車へ乗り換える」などの選択肢があります。
どの方法を選ぶかによって必要な手続きや費用が異なるため、契約前にそれぞれの選択肢の条件を確認しておきましょう。
7.2. 残価保証の条件を確認する
契約時に設定される残価は、車両が契約条件どおり使用されることを前提として設定されています。事故や修理によって修復歴が付いた場合や、想定した走行距離を超えている場合は、査定額が下がり追加費用が発生する可能性があります。
7.3. 月々の返済額だけで判断しない
残クレは残価を据え置くことで月々の返済額を抑えられますが、据え置いた残価にも金利がかかることが多く、総支払額は金融機関のカーローンより高くなる場合があります。
月々の負担だけでなく、契約満了後の選択肢や総支払額まで含めて比較・検討することが大切です。
7.4. 任意保険(車両保険)への加入を検討する
残クレは車両本体についてのみのローンであり、自動車税や車検費用、任意保険料などは別途負担する必要があります。事故や大きな損傷によって追加費用が発生する可能性もあるため、万が一に備えて車両保険を含む任意保険への加入も検討しましょう。
また、修理先が指定されているケースがあるため、万が一事故に遭った際は、修理前にディーラーへ相談しましょう。
8. 残クレと金融機関のカーローンはどちらを選ぶべき?
残クレとカーローンには、それぞれ特徴があります。毎月の返済負担や車の使い方、将来の乗り換え予定などを踏まえ、自分のライフスタイルに合ったローンを選びましょう。
8.1. 毎月の支払いを抑えたい場合
毎月の返済負担をできるだけ抑えたい人には、残クレが向いています。
金融機関のカーローンでは、車両価格の全額を分割して支払うため、月々の返済額は高くなります。一方、残クレは車両価格から残価を差し引いた金額をもとにローンを組むため、金融機関のカーローンより月々の支払いを抑えやすいことが特徴です。
ただし、契約満了時の精算条件や走行距離の制限などがあるため、契約内容を理解したうえで利用することが大切です。
8.2. 車を長く乗り続けたい場合
同じ車に長く乗り続けたい人や、年間の走行距離が長い人には、金融機関のカーローンがおすすめです。
金融機関のカーローンは、購入時から自分名義で車を所有できるため、走行距離を気にする必要がなく、カスタマイズや売却も自由に行えます。ローン完済後は維持費のみで乗り続けられるため、長期間利用するほど経済的なメリットも大きくなります。
8.3. 定期的に新しい車に乗り換えたい場合
3年や5年ごとに新しい車へ乗り換えたい人には、残クレが適しています。
金融機関のカーローンを利用して車の買い替えをする場合、車両価格全額を借入れるため、毎月ある程度まとまった返済が必要となりますが、残クレの場合、車の返却時に新たな残クレを利用すれば、比較的スムーズに新しい車へ乗り換えられます。常に新しいモデルに乗りたい人や、ライフステージの変化に合わせて数年ごとに車を見直したい人にも向いています。
9. まとめ
残クレ(残価設定型クレジット)は、月々の返済負担を抑えながら新しい車に乗り換えやすい点が魅力です。一方で、走行距離や車両状態に一定の条件があるほか、契約満了時の精算内容や総支払額についても確認しておく必要があります。
一方、金融機関のカーローンは、車に長く乗り続けたい人や、自分名義で自由に乗りたい人に適しています。月々の返済額は高くなりますが、残クレと比較すると、金利や総支払額は低く抑えることができます。
車の利用方法まで含めて比較し、自分のライフスタイルに合ったローンを選びましょう。
〈中央ろうきん〉のカーライフローンなら、新車・中古車を問わず同一金利で利用できるほか、車の買い替え時には現在利用中の自動車ローンの残債を新たな借入額に合算できるなどのメリットがあります。車の購入や買い替えを検討されている方は、お気軽にご相談ください。
執筆・監修者
氏家祥美
ハートマネー 代表
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント
2005年にFP会社設立に参画しFP相談を開始。2010年に独立してFP事務所ハートマネーを設立。「お金」「キャリア」「聴く力」を強みとして、その人らしい人生地図作りをサポート。子育て世代の貯める仕組み作りから、定年前後の世代まで幅広い相談実績を持ち、人生の転機をサポートしている。
- 本記事は情報提供を目的としており、特定商品の勧誘目的で公開しているものではありません。
- 本記事の内容は、公開日または更新時時点のものであり、その内容を保証するものではありません。
- このコラムは、2026年8月時点の情報を基に作成しています。
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