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住宅ローン控除(減税)とは?
制度や適用条件と
控除額のシミュレーション【2024年】

公開日:2024年7月17日

住宅ローン控除は、住宅ローン契約を結んだ人が一定の条件を満たすことで減税を受けられる制度のことです。この記事では、「住宅ローン控除を受けるための条件は?」「どれくらいの控除を受けられるのか?」など気になっている人に向けて、住宅ローン控除の基礎知識から適用条件、控除額の計算方法などをお伝えします。

この記事は、2024年6月時点の情報をもとに作成しています。

1. 住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、年末の住宅ローン残高をもとに一定額が所得税や住民税から控除される制度です。

住宅の種類に関しては、新築住宅だけでなく、既存住宅(買取再販・中古住宅)や、建物の増改築も、適用条件を満たしていれば住宅ローン控除の対象となります。

2. 住宅ローン控除が受けられる金額

住宅ローン控除は、住宅の区分や性能によって、控除を受けられる対象となる借入の限度や、控除額が変わります。具体的な金額については、以下のとおりとなります。

住宅の種類 借入
限度額
控除率 控除
期間
最大控除額
1年間 合計
新築
買取再販
長期優良住宅
低炭素住宅
子育て特例対象
個人※2
5,000万円 0.7% 13年 35万円 455万円
4,500万円 31.5万円 409.5万円
ZEH※1水準
省エネ住宅
子育て特例対象
個人※2
4,500万円 31.5万円 409.5万円
3,500万円 24.5万円 318.5万円
省エネ基準適合住宅 子育て特例対象
個人※2
4,000万円 28万円 364万円
3,000万円 21万円 273万円
その他 控除の適用なし(※3)(※4) 10年 ― ―
既存住宅 長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ適合住宅
3,000万円 0.7% 10年 21万円 210万円
一般住宅 2,000万円 14万円 140万円
リフォーム 2,000万円 14万円 140万円

出典:国税庁HPより作成

  1. ZEH(ゼッチ)とは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、家庭で使用するエネルギーと、太陽光発電などで創るエネルギーをバランスして、1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家のこと。
    出典:知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~新しい省エネの家「ZEH」|経済産業省 資源エネルギー庁
  2. 「子育て特例対象個人」(19歳未満の子を有する人、または夫婦のいずれかが40歳未満の人)の場合(2024年に制度が拡充)
  3. 居住年が2024年、2025年の新築一般住宅の場合、2023年中に建築確認を受けていれば、借入限度額2,000万円
  4. 一定の基準を満たさない一般の買取再販住宅の場合、借入限度額2,000万円

3. 住宅ローン控除の適用条件

住宅ローン控除の適用条件は、新築住宅・買取再販住宅・中古住宅・増改築等のどれに該当するかで変わります。住宅の種類ごとの住宅ローン控除の適用条件について、詳しく解説します。

3.1. 共通事項

まず、住宅ローン控除を受けるために、住宅の種類に関わらず必要な条件について解説します。

  • 取得後6カ月以内に居住し、控除を受ける年の年末に引き続き住んでいること。
  • 控除を受ける年の合計所得が2,000万円以下であること。
  • 登記事項証明書の家屋の専有面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上が自己居住用であること。
  • 10年以上にわたって分割返済する借入金があること(親族などからの個人的な借り入れや、年0.2%に満たない利率による勤務先からの借入金は除きます。)
  • 2つ以上の住宅を所有している場合は、主として居住用と認められる住宅であること。
  • 居住年およびその前2年の計3年間に、「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」など各種譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。
  • 居住年の翌年以後3年以内に居住した住宅(住宅の敷地を含む)以外の一定の資産を譲渡し、当該譲渡について「譲渡所得の課税の特例」などを受けていないこと。
  • 一定の者からの借入金であること
    一定の者とは、金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構または一定の貸金業者などを指しますが、主な借入先は次のとおりです。
  1. 銀行
  2. 労働金庫・農協・信用金庫・信用組合など
  3. 住宅金融支援機構
  4. 地方公共団体
  5. 各種公務員共済組合
  6. 勤務先(実際に負担する金利が0.2%未満の場合は特別控除の対象外)

出典:No.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等|国税庁

3.2. 新築住宅の場合

3.1.の共通事項のほか、次の条件を満たしていれば、住宅ローン控除が受けられます。

  • 親族や事実婚の相手など生計を一にする人から取得した住宅(敷地用の土地等を含む)でないこと・贈与により取得した住宅でないこと。

なお、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、住宅ローン控除の適用を受けるためには、一定の省エネ基準に適合することが必要になる点に注意が必要です。

2024年以前に建築確認を受けた新築住宅については、控除を受ける年の合計所得額※が1,000万円以下の場合、床面積が40㎡以上50㎡未満についても適用となります。

  • 合計所得額とは、給与所得や事業所得以外の所得(不動産所得、雑所得、退職所得など)をすべて合算した金額です。

3.3. 買取再販住宅の場合

買取再販住宅とは、宅地建物取引業者が中古住宅を買い取り、リフォームやリノベーションをおこなったうえで再販する住宅です。3.1.の共通事項のほか、次のすべての条件を満たしていれば、買取再販住宅の購入で住宅ローン控除を受けることができます。

  1. 宅地建物取引業者が住宅を取得、改修してから再販売までの期間が2年以内である。
  2. 住宅を取得した時点で住宅が新築された日から10年を経過している。
  3. 再販のための増改築にかかった費用総額が、売買価額(税込み)の20%(金額が300万円を超える場合には300万円)以上である。
  4. 増築、改築、耐震基準に適合させるための工事、省エネ改修工事など、特定増改築にあたる工事がおこなわれている。
  5. 建築後に使用されたことのある住宅で1982年(昭和57年)1月1日以降に建築されたものである、もしくは一定の耐震基準に適合していると証明されたものである。
  6. 親族や事実婚の相手など生計を一にする人から取得した住宅(敷地用の土地等を含む)でないこと・贈与により取得した住宅でないこと。

出典:No.1211-2 買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

買取再販住宅の購入を検討する際には、宅地建物取引業者にこれらの条件に適合しているか、住宅ローン控除の対象となるか確認しましょう。

3.4. 中古住宅の場合

中古住宅とは、宅地建物取引業者が既存住宅を買い取り、改修工事をせずにそのまま販売する住宅です。3.1.の共通事項のほか、次の条件をすべて満たしていれば、中古住宅の購入で住宅ローン控除を受けることができます。

  1. 1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された、もしくは一定の耐震基準に適合していると証明されている。
  2. 親族や事実婚の相手など生計を一にする人から取得した住宅(敷地用の土地等を含む)でないこと・贈与により取得した住宅でないこと。

中古住宅の適合条件は、1982年に改正された新耐震基準に適合しているか否かがポイントです。1981年以前に建築された建物であっても、新耐震基準に適合している証明があり、新築住宅の条件に適合していれば住宅ローン控除の対象です。

3.5. リフォームや増改築の場合

リフォームや増改築のために住宅ローンを利用した場合も、3.1.の共通事項のほか、次の条件をすべて満たしていれば、住宅ローン控除の対象となります。

  1. 自己が所有し、かつ、自分が居住する家屋について行う増改築等であること。
  2. 次のいずれかの工事に該当するものであること。
    (A)増築、改築、建築基準法に規定する大規模の修繕、または大規模の模様替えの工事
    (B)区分所有する部分の床・階段または壁の過半について行う一定の修繕、または模様替えの工事
    (C)家屋のうち、居室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関、または廊下の一室の床、または壁の全部について行う修繕、または模様替えの工事
    (D)建築基準法施行令の構造強度等に関する規定、または地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕、または模様替えの工事
    (E)一定のバリアフリー改修工事、または一定の省エネ改修工事
  3. 増改築等の工事費用の額が100万円を超えていて、そのうち1/2以上の額が居住用部分の工事費用であること※。
  • 増改築後の面積が50㎡以上であること

出典:No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

4. 住宅ローン控除額の計算方法

住宅ローン控除の額は、年末の住宅ローン残高×控除率(0.7%)で計算します。計算結果と上表の年間最大控除額のいずれか小さい金額が所得税から控除されます。

控除額が所得税額より大きいために所得税から全額控除できない場合は、その控除しきれなかった金額が翌年度の住民税から最大で9万7,500円まで控除されます。

5. 住宅ローン控除額のシミュレーション

次の例で控除額のシミュレーションをしてみました。住宅ローン控除額の参考にしてください。

2024年【長期優良住宅】入居
2024年末時点住宅ローン残高:4,000万円
本来の所得税額:20万円
本来の住民税額:30万円

控除可能額:4,000万円×0.7%=28万円 < 年間最大控除額31万5,000円(長期優良住宅)

よって、28万円が控除額となります。
所得税額は20万円ですので、8万円分は所得税から控除できません。

住民税から控除できる金額は、所得税で控除しきれなかった額、かつ上限が9万7,500円ですので、この場合、8万円が住民税から控除されます。

実際の所得税額:0円(20万円−28万円=▲8万円)
実際の住民税額:22万円(30万円−8万円=22万円)

6. 住宅ローン控除はふるさと納税と併用可能

住宅ローン控除とふるさと納税は併用可能です。ふるさと納税の寄附額は、2,000円を除く全額が所得税や翌年度の住民税から控除される仕組みです。

注意が必要なのは、確定申告をする場合です。
確定申告をした場合、ふるさと納税のワンストップ特例制度の手続きを完了していても、その適用は無効になります。そのため、確定申告にて、ふるさと納税の寄付金控除をもう一度申告する必要があります。

また、確定申告をした場合、住宅ローン控除に優先してふるさと納税が所得税から還付されるため、住宅ローン控除を受けきれないケースが出てきます。控除しきれない金額は、住民税から控除されますが、その金額が97,500円を超える場合は、住宅ローン控除にロスが生じます。

住宅ローン控除を利用している方がふるさと納税をする場合は、寄附額の全額が住民税から控除されるワンストップ特例制度の利用がおすすめですが、住宅ローン控除を受ける最初の年は確定申告が必須ですので留意ください。

7. 住宅ローン控除の申請手続きについて

住宅ローン控除を受ける最初の年は、すべての人が確定申告をする必要があります。

会社員や公務員などの給与所得者は、2年目以降は確定申告ではなく年末調整により勤務先が対応するため確定申告は不要です。

年末調整のない個人事業主やフリーランスなど自営業の方は、2年目以降も確定申告をすることで住宅ローン控除を受けられます。自動的に申請されるわけではありませんので注意してください。ただし、万一、申告を忘れても5年以内であれば還付申告ができます。

確定申告で住宅ローン控除の申請をする際に必要になる書類は次のとおりです。

必要書類 入手先
確定申告書 税務署または国税庁ホームページ
住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅ローンの借入金の年末残高証明書(※) 借入している金融機関
建物・土地の登記事項証明書 法務局窓口またはオンライン申請
工事請負契約書の写しor売買契約書の写し 不動産会社
源泉徴収票 勤務先
本人確認書類(マイナンバーカードなど) 手持ちの本人確認書をコピー
住宅性能を証明する書類(必要に応じて) 不動産会社
  • 住宅ローン控除対象住宅に2023年1月1日以降に居住した場合で2024年1月1日以降におこなう確定申告と年末調整においては、借入先金融機関が「調書方式」に対応している場合に限り、提出は不要

出典:住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について|国税庁

8. 住宅ローン控除を利用して負担の軽減を

住宅ローン控除は、1年あたり住宅ローンの年末残高の0.7%を上限に、最長13年減税を受けられる制度です。

2024年の税制改正により、一定の省エネ基準を満たさない住宅に該当する場合、住宅ローン控除の対象外となります。また、一方で、19歳未満の子を有する人、または夫婦のいずれかが40歳未満の人に該当する「子育て特例対象個人」に対する控除が拡充しました。今後住宅を購入する方は、購入物件が住宅ローン控除の対象なのか、最大控除額がいくらなのかしっかり確認したうえで、購入を検討することが大切です。
ただし、控除額が大きくても、納税額以上の還付はありませんので注意してください。自分の収入に見合った住宅ローンを組み、住宅ローン控除を利用して負担を軽減しましょう。

詳しくは税務署または専門家などにお問い合わせください。

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除の控除額の計算や手続きについて詳しくは国税庁ホームページ〈https://www.nta.go.jp〉をご覧ください。
  • 国税に関するご相談・ご質問は電話相談センターをご利用ください。

監修者

山﨑裕佳子 FP事務所MIRAI 代表

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、証券外務員二種保有。
通関士として通関業務、メーカーにて海外営業事務、銀行にてテラーなど経験し、FPの道へ。
2022年「FP事務所MIRAI」設立。家計の見直しでMIRAIを変えるをモットーに、各種相談、金融記事執筆、書籍監修等、幅広く活動している。

  • 本記事は情報提供を目的としており、特定商品の勧誘目的で公開しているものではありません。
  • 本記事の内容は、公開日または更新時時点のものであり、その内容を保証するものではありません。
  • このコラムは、2024年7月時点の情報を基に作成しています。

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