お金の増やし方|
収入を上げる・支出を減らす
・資産運用の方法について

公開日:2025年7月14日
「今のままで将来、お金は足りるのかな?」「貯金が全然増えない...」そんな不安を抱える方に知っていただきたいのが、お金の増やし方です。まずは収入と支出の状況を確認したうえで、ご自身の状況に合った方法で、「収入を上げる」「支出を減らす」「資産運用」の3つの方法から選んで実践しましょう。
この記事では、それぞれの具体的な方法をわかりやすく解説します。自分の現状を把握し、無理のない範囲から始め、リスクを抑えて着実にお金を増やすことが大切です。
1. まずは現状を知ることから
お金を増やしたいと思ったら、まず、自分の現状を知ることが大切です。現状を冷静に分析すれば、優先的に取り組むべきことが見えてきます。
1.1. 現状は収入が少ない・支出が多い状態
お金がない、貯まらないと感じている方の多くは、収入と支出のバランスが取れていない状況にあります。支出が収入を上回っている限り、手持ちのお金は減り続けてしまいます。
まずはご自身の収入と支出を正確に把握しましょう。収入については給与明細や源泉徴収票などで確認できます。なお、実際に生活費として使える金額は、税金や社会保険料などを差し引いたあとの手取り金額になりますので、手取り金額を確認しておきましょう。
支出については、何にいくら使っているのかを具体的に把握することが大切です。支出は、まずは見える化したうえで、見直していきましょう。
1.2. 見直しの方向性を決める
収入と支出を把握できたら、「収入を増やす」「支出を減らす」どちらを優先して見直すか決めましょう。
すでに十分節約している方は、重ねて節約の努力をするよりも、収入アップを目指した方が効果的です。一方、節約が十分でなく、出費が多い方は、支出を見直した方が効果的でしょう。
見直しの方向性が見えてきたら、具体的なアクションプランを考えます。次の章では、お金を増やすそれぞれのアプローチについて解説します。
2. 収入を上げてお金を増やす
今よりも収入を増やす方法は以下のようにいくつかあります。自分に合った方法を探してみましょう。
2.1. 昇進して給与を上げる
まずは、現在の勤務先で収入を増やす方法を考えましょう。例えば、会社に資格手当の制度があるなら、対象となる資格の取得も一つの手です。資格取得は大変ですが、勤務先が推奨している資格なら、その取得が業務に役立ち、将来の昇進・昇給につながる可能性もあります。
また、職場のなかに、順調に成果を上げて昇進している人がいれば、その人をロールモデルにして目の前の仕事に取り組むこともよいでしょう。
2.2. 給与が高い会社に転職する
今の仕事に対して、収入が低いと感じる、モチベーションが上がらない、勤務先の未来にも期待ができないなどという場合には、転職も選択肢に入ってきます。今よりも給与が高く、業績が安定していて、やりがいを持って働けそうな会社を探してみましょう。
もちろん、希望の会社に採用されるためには努力が必要となりますが、環境を変えることでモチベーションの上昇につながる可能性がありますし、努力次第で昇給につながる可能性もあります。
2.3. 副業をする
今すぐに収入を増やしたいという場合には、新たに副業やアルバイトを始める方法もあります。今の仕事を続けながら、休日や仕事終わりの空き時間を利用して、副業を始めてみてはいかがでしょうか。
しかし、勤務先によっては、会社の規定で副業や、同業他社での就業が禁じられている場合があります。副業を始めたために、本業を失うことがないよう会社の就業規則を確認してから始めましょう。
3. 支出を減らしてお金を残す
転職や副業をしなくても、お金の使い方を見直し、支出を抑えることができれば、貯蓄も可能となります。自分に合った方法で支出を見直しましょう。
3.1. 支出を記録して把握する
まずは日々の支出を記録して、現状のお金の使い方を確認しましょう。支出の記録に便利なツールとして「家計簿アプリ」があります。多くの家計簿アプリには「口座連携機能」があります。銀行口座や証券口座などを家計簿アプリに登録しておくと、それぞれの口座にログインしなくても、家計簿アプリ上で入出金履歴を確認できます。
スマートフォンのバーコード決済を利用する機会が多い人は、バーコード決済上の取引履歴をチェックしましょう。その結果、生活必需品以外の支出が多いなど、改めて気が付くこともあるでしょう。
3.2. 減らしても痛みの少ない項目から減らす
支出の内訳を把握できたら、減らしても痛みの少ない項目やその減らし方を考えましょう。例えば、外食費がかかりすぎていると感じたら、いきなりすべて自炊に変えるのではなく、外食の回数を月に2回減らす等の見直しはいかがでしょうか。それならば、痛みはそれほど大きくなく見直しできるでしょう。
コンビニはスーパーなどと比べて割高ですので、コンビニの利用回数が多い場合は、利用回数を減らすことも効果的です。
また、自分の好きなことや趣味などをやめるかわりに、利用頻度が少なくなったスポーツジムを退会する、付き合いで行っていた遊びや飲み会を意識的に断わるなどであれば、無理なく支出を減らすことができるでしょう。
3.3. お金を使わない日を作る
買い物に行くとついつい余計なものまで買ってしまうという人は、買い物自体に行かない「ノーマネーデー」を定期的に作ってみましょう。
買い物に行かなければ、例えば食事を用意するにしても、冷蔵庫に残った食材を使い切ろうとする知恵も生まれてきます。お金を使わずにどこまでできるか、ゲーム感覚で始めるのもよいでしょう。
3.4. 通信費・保険・サブスクなどの固定費を見直す
通信費や保険、サブスクなどは、毎月決まってかかる固定費となります。当初契約したままにしている人は、契約内容と料金を確認してみましょう。
スマートフォンなどの通信費は、新しいプランに見直すことで料金を抑えられる可能性があります。また、保険は年齢や家族状況の変化に合わせて保障内容を見直しましょう。
こうした固定費の見直しは、手間がかかり、つい後回しにしがちですが、一度見直せば節約効果がずっと続いて大きな効果が期待できます。固定費を見直して節約できた金額を毎月貯蓄にまわすと、無理なく貯蓄できます。給与から自動で天引きされる財形貯蓄制度がお勤め先で導入されていれば、財形貯蓄制度を利用することで、毎月確実に積立ができ、使いすぎも防げます。あらかじめ貯蓄分を先取りしておけば、残ったお金で生活する習慣が身につき、自然とお金が貯まりやすくなります。
3.5. ローンの繰上げ返済や借換えで金利負担を減らす
住宅ローンなどのローンを利用している人は、金利負担を減らす工夫をしましょう。
手元に余裕資金があれば、ローンの繰上げ返済を検討しましょう。繰り上げ返済すると金利負担を減らすことができます。繰上げ返済が難しければ、金利が低いローンへの借換えを検討しましょう。借換えすることで金利負担を減らすことが可能となります。
4. 資産運用でお金を増やす
「収入を増やす」「支出を減らす」その次に検討したいのが資産運用です。資産運用にはさまざまな方法がありますが、ここでは、特におすすめの3つの資産運用についてお伝えします。
4.1. NISA(ニーサ)
「NISA(ニーサ)」は、少額から投資を行う方のために2014年1月から始まった少額投資非課税制度です。通常、金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した場合には、非課税となります。
NISA口座の非課税保有限度額は生涯を通じて元本1,800万円となり、そこから得られる利益は非課税になります。また、非課税保有期間については無期限となります。
「NISA」には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、投資方法や非課税投資枠、投資対象商品が異なり、それぞれ目的に合わせて利用ができます。まとまった資金で投資を行いたい方は「成長投資枠」、コツコツと積立投資を行いたい方は「つみたて投資枠」の利用がおススメです。また、両方の投資枠を併用することもできます。
NISAを利用して投資できる金融商品はいずれも元本の保証はありませんが、長期・積立・分散投資を意識しリスクを抑えながら、非課税効果の活用による資産の成長を期待できます。
4.2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、任意で加入を申し込むことにより公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金の一つで、拠出した掛金を定期預金や保険、投資信託といった商品で運用します。
拠出した掛金は全額が所得控除の対象になる、運用期間中の利益は非課税、受取時にも控除が適用されるといったさまざまな税制上のメリットがあります。また、積み立てた資産は最短でも60歳になるまで引き出せないため、若いうちから老後資金を貯めたい方におすすめです。
4.3. 個人向け国債
「国債」とは、国がお金を借りるときに発行する債券のことです。「個人向け国債」は個人が1万円から購入できる「国債」で、利子が指定の普通預金口座へ年2回(半年毎)支払われ、固定3年、固定5年、変動10年の3タイプから選ぶことができます。
「株式投資」や「投資信託」などに比べると、国にお金を貸すことになる「個人向け国債」は、それほど大きなリターンは期待できませんが、元本と最低金利が保証されている安心感があるでしょう。
国が破綻しない限り満期時に元本が戻ってくるメリットがあり、安全に資産運用をしたい方におすすめです。
5. 【要注意】してはいけないお金の増やし方
お金を増やそうと思って行動しても、方法を間違えてしまうと、かえって財産を大きく失うことになります。そのような状況に陥らないよう以下の点に注意しましょう。
5.1. 短期間で一獲千金を狙う投機
資産運用では、リスクを抑えた金融商品を選び、投資先の分散、少額の積立投資を意識し、時間をかけてお金を育てていくことが大切です。
短期間で一獲千金を狙うことは、資産運用ではなく、投機(ギャンブル)です。値動きが大きなものにまとまったお金を投じると、一気に財産を失う可能性があります。一か八かのギャンブルでなく、長期的な目線で資産運用を考えましょう。
5.2. 借入金での資産運用
値動きのある商品への投資は、余裕資金でおこないましょう。資産運用は資産が増える可能性もありますが、減る可能性もあります。そのため近いうちに使う予定が決まっているお金は資産運用には向きません。
余裕資金でなく、借入金で資産運用をすると、借入金の元金の返済、利息の支払いが必要になります。また、返済に時間がかかると利息の負担も増大するので、借入金での資産運用はやめましょう。
5.3. 「必ず儲かる」という言葉
金融商品や投資において、「リスク」「リターン」は比例します。そのため、低リスク商品は低リターン、高リスク商品は、高リターンが期待できます。
金融商品取引法では「必ず儲かる」といった断定的判断による勧誘は不公正な行為として禁止されており、金融庁が認めた金融商品では、リスクについても明示することになっています。
金融商品や投資にはリスクが伴い「必ず儲かる」投資は存在しません。「必ず儲かる」と謳う怪しい金融商品は、リスクを矮小化してお金を集めようとしています。誘われても絶対に手を出してはいけません。
6. まとめ
お金を増やしたいと思ったら、まずは収入と支出を確認して現状を把握しましょう。また、節約しているにも関わらずお金がないと感じる場合は、スキルアップや転職、副業などにより収入アップに挑戦してみることがおすすめです。
また、支出を記録して個々の支出を見直しましょう。通信費や保険、サブスクの見直しや、買い物に行かない「ノーマネーデー」を設定することも効果的です。
すぐに使わない余裕資金があったら、税制優遇があるNISAやiDeCoを活用して資産運用を始めましょう。ただし、資産運用するうえで注意しなければならないのは、怪しい投資話です。一気に手持ち資金を失うばかりか、借金を負う可能性もあります。急ぎすぎず、無理のない範囲で時間をかけてお金を増やしていくことを心掛けましょう。
執筆・監修者

氏家祥美
ハートマネー 代表
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント
2005年にFP会社設立に参画しFP相談を開始。2010年に独立してFP事務所ハートマネーを設立。「お金」「キャリア」「聴く力」を強みとして、その人らしい人生地図作りをサポート。子育て世代の貯める仕組み作りから、定年前後の世代まで幅広い相談実績を持ち、人生の転機をサポートしている。
- 本記事は情報提供を目的としており、特定商品の勧誘目的で公開しているものではありません。
- 本記事の内容は、公開日または更新時時点のものであり、その内容を保証するものではありません。
- このコラムは、2025年7月時点の情報を基に作成しています。
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