重要課題1
働く人の経済的地位の向上への寄与
当金庫は、本業である「労働者自主福祉金融」事業を通じ、会員と協働して組合員・勤労者の生涯にわたるライフプランの支援や金融リテラシーの向上に取組み、働く人の経済的地位の向上に寄与していきます。
具体的な取組み
当金庫は、雇用環境・雇用形態の変化、資源価格の高騰、物価上昇に伴う実質賃金の低下等といった会員・組合員を取り巻く外部環境を背景に、会員・推進機構と連携し、生活設計に対する将来不安の払拭等、各世代の金融ニーズを踏まえ、金庫の強みとなる「対面」とデジタル化の推進による「非対面」を組み合わせた取り組みを展開してまいりました。
具体的には、会員・企業と連携し、組合員向け学習会等への参加を通じ、若年層に役立つ金融情報を発信するとともに、計画的な資産形成の重要性や可処分所得向上に資する低利で安心なローンの利用提案等を実施しています。
また、毎月第3土曜日の休日相談会や職場等での相談会を開催し、組合員の金融ニーズへの相談対応を実践したほか、退職後のライフプランを見据え、在職中からの資産形成・マネープランに着目した相談体制の強化に努めています。
当金庫は、これまでの取組みを更に発展させ、生涯を通じた会員・組合員への生活設計を支援する取組みを展開してまいります。
労金運動の助け合いの輪の拡大
会員・推進機構と連携し、すべての組合員(雇用形態の区別なく)のライフプランの設計・実現を支援することをめざしています。とりわけ、パート・有期契約等の組合員には、給与振込と計画的な積立貯蓄(および共済)、必要かつ健全なローン利用による、生活基盤の確保と安定を提案しています。
緊急生活応援ローン
勤務先企業の事情による賃金・一時金の切り下げ(賃金カット)もしくは賃金遅欠配、または新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少等が発生した場合に、会員団体と連携のうえ、組合員が当面の生活資金としてご利用いただける「緊急生活応援ローン」を提供しております。
2023年度の取扱実績は、492件・4億3,951万円となりました。
利用者のライフプラン支援
会員・組合員から期待される役割や昨今の社会的課題を踏まえ、次の点を重視して「働く人のベスト金融アドバイザー」として組合員のライフプランをサポートしています。
- 現役のときから老後までを見据えた資金計画の必要性を伝え、計画的な長期・積立・分散投資による資産形成を提案して、将来不安の払拭に取組んでいます。
- これまでに引き続き、組合員のライフステージに応じて融資商品・サービスを提供し、組合員の安心かつ健全な生活設計・生活改善を支援しています。
- 金庫の取組みや商品・サービスの提供によって、組合員・利用者一人ひとりの最善の利益が図られるよう、『お客様本位の業務運営に関する取組み方針』のいっそうの浸透・定着を図るとともに、職員のコンサルティング能力の底上げに取組んでいます。
金融リテラシー向上の取組み
職域での各種セミナー開催
“働く人のベスト金融アドバイザー”として、会員・企業における年代別のライフプランセミナーや、人生100年時代に向けた資産運用に関するセミナーなど、金融に関する情報提供の場を積極的に設け、皆さまの資産形成をサポートしております。
また、会員との連携・協働により、当金庫ローンによる他行・他社ローンの借換え運動や、「多重債務防止」セミナーを通じて、組合員の可処分所得の向上と生活防衛に取組んでいます。
セミナー開催状況(テーマ別)
(2023年4月~2024年3月末)
年金・退職準備 | 671回 |
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多重債務防止 | 433回 |
ライフプラン | 1,567回 |
住宅購入 | 218回 |
企業年金 | 88回 |
資産運用 | 3,066回 |
学校教育 | 67回 |
労金紹介 | 820回 |
その他 | 534回 |
セミナー開催数(合計) | 7,464回 |
参加者数(合計) | 144,351人 |
- その他には、住宅ローン、カードローン、相続等のテーマが含まれます。
地域での金融教育の実施
大学生の金融リテラシー向上を図ることを目的に、以下に取組んでいます。
- 大学生協と連携した“金融リテラシー”をテーマとする講座の開催
- 協同組合間連携による、大学への寄付講座の提供
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消費者問題や消費者行動をテーマとする授業・演習(ゼミ)への講師派遣と授業協力
[法政大学・新倉ゼミとの連携を通じた成果]
また、高等学校・特別支援学校等への出前授業の提供や、小学生・中学生の「職場体験学習」の受け入れを行っています。
高等学校への出前授業の様子
【大学ゼミと共同制作した金融教育教材へのリンクはコチラ】
福祉金融機関としての各種支援制度
自然災害に係る取組み
「災害救助法の適用となった災害により被災された方」に災害に係る復旧等に要する生活資金全般にご利用できるローンを取り扱っております(取扱期間は2025年3月31日申込受付分まで)。
金融円滑化の取組み
2009年12月に施行された「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(金融円滑化法)」は2013年3月31日に期限を迎えましたが、当金庫では、法期限以降もお客様のご返済方法に係るご相談などに対し継続して対応しています。
求職者支援資金融資制度
厚生労働省が実施する「求職者支援制度」に定める職業訓練の受講生のうち、職業訓練受講給付金のみでは生活費等が不足する方に対し、更なる支援として低利の融資を行うことにより円滑な職業訓練・再就職を支援する制度で、厚生労働省からの要請に基づき2011年10月から取り扱っています。
2024年3月末現在のご契約件数・残高は、315件・7,949万円となっています。
技能者育成資金融資制度
優れた技能者を育成するための一助として、成績が優秀であるにもかかわらず、経済的な理由により職業能力開発大学校または公共職業能力開発施設が行う職業訓練を受けることが困難な訓練生に対し、授業料等に充てる資金として低利の融資を行うことにより職業訓練の受講を支援する制度で、厚生労働省からの要請に基づき2011年5月から取り扱っています。
2024年3月末現在のご契約件数・残高は、184件・1億2,027万円となっています。
教育訓練受講者支援資金融資制度
厚生労働省が実施する専門的かつ実践的な訓練教育の受講者のうち、教育訓練支援給付金のみでは生活費等が不足する方に対し、更なる支援として生活に必要な資金を融資する制度で、厚生労働省からの要請に基づき2014年10月から2019年6月30日まで申し込みを受付しておりました。
2024年3月末現在のご契約件数・残高は、17件・1,153万円となっています。
- 労働金庫協会ホームページへリンクします